第15話 太陽のflare sherbet ページ16
『太陽の
イントロが始まると同時に、客席は再び一斉に静まり返った
隠しきれない熱気を帯びた、むせかえるような沈黙
そふぃは支配者が民を指揮するがごとく腕を振り上げ、マイクを手に取った
『愛帯びる太陽のflare sherbet』
『感覚は無重力にして───』
シャープな振り付けは氷点下の鋭さだ
最初の一小節で既にそふぃは世界を掌握していた
『胸焦がす誘惑のProto planet』
『抱きしめてよmore romantic!』
撃ち抜くように右手を上げたとき、そふぃは確かに私と目を合わせた
その視線が何を物語っているのか、それはわからなかったけど・・・、
そふぃのパフォーマンスは、ただただ、圧倒的だった
『悔いのない明日を見なさい、世界は』
『誰の為 何の為、廻ってると思う?』
ランウェイを悠然と闊歩する姿は、神アイドルそのもので───
そふぃ「メイキングドラマ、スイッチオン!!」
茨の森を抜けると、その籠はあった
鍵の掛けられた真鍮の鳥籠
『解放乙女、ヴァルキュリア!!!!』
鳥籠の中で、そふぃは外に出られず震えていた
しかし光が差し、鍵が本当は目の前にあったと気付く
そふぃは籠の網目から手を伸ばす
無造作にうち捨てられていた大きな鍵へと
指先が触れ、あと少しで掴み取れる
あと少し、あと少しで・・・、
そふぃ「届かない・・・っ!」
!?
そふぃ「届かない─────!!!!」
その場にいた全員の呼吸が止まった
そふぃの叫びはあまりにも悲痛で、絶望で、圧倒的
何が起こったのか、観客たちが理解するのに、数秒かかった
あれは、ただの『解放乙女』じゃない
伝説の"初期バージョン"・・・、
そふぃ「エアリーチェンジ!!」
茨の森が取り払われ、そふぃが再びランウェイの先頭に現れる
その瞬間、
「「「「キャアアアアアアーーーー!!!!」」」」
客席は再び狂乱に包まれた
なんて、なんて、こんな、
すごすぎる、これこそ、
神アイドル───
そふぃ「ゴールドエアリー!!」
そふぃがシアターの上空へと舞い上がる
黄金の翼をはためかせて
その姿は天使みたいな女神みたいな・・・、
A「そふぃ・・・っ!」
私は思わずその名前を呼んだ
届くはずもないと知りながら
A「そふぃ!!」
そふぃはドリームシアターの中心で、ただ笑ってみせた
きっとそれが答えなのだった
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きらるり(プロフ) - まりタン♪さん» いつもありがとうございます!今回もかっこよさを重視したのでそう言っていただけると本当に嬉しいです(´▽`) 次は続編ではないですがよかったらよろしくお願いします♪ (2016年8月28日 8時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
まりタン♪ - 綾鷹様とそふぃ様、かっこよすぎです!! 新しい小説、楽しみにしています。頑張ってください! (2016年8月28日 3時) (レス) id: 74733037cc (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - かーなさん» ありがとうございます♪ちゃんと歌えるように書いたのでよかったら心の中で口ずさんで読んでください(´▽`) (2016年7月2日 14時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
かーな - 歌詞のアレンジが素敵です! (2016年7月2日 12時) (レス) id: 9f85a61d06 (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - ましゅまろうさぎさん» こんにちは!コメントありがとうございます!好きになってくれてとても嬉しいです!(´▽`) もう終盤ですので最後まで書けるよう頑張ります♪ (2016年7月1日 18時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きらるり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/krrr_homepage/
作成日時:2016年6月18日 15時