第6話 ページ7
今日の天気は傘を手放せない雨
私はあおい先輩と星宮先輩と一緒にジューンブライドショーの打ち合わせをしていた
コーデは決まっていても、選曲に会場確保に、やることはたくさんある
あおい「よし、こんなもんかな」
A「いいショーになりそうですね」
いちご「うん、そうだね!」
私の隣に座っている星宮先輩が大きく腕を上げて伸びをした
結構話し込んじゃったなあ
あおい「私、お茶いれてくるね」
A「あっ、私がやります!」
あおい「ううん、座ってて、これは手伝ってくれたふたりにお礼♡」
あおい先輩は立ち上がって給湯室の方へ去っていった
先輩も疲れているはずなのに・・・、
やっぱり優しい、あーあ、このままずっと一緒にお仕事できたらいいのに
いちご「ねえ、Aちゃんってあおいのことスキでしょ」
A「えっ?」
だし抜けにそんなことを言われた
な、なんで?いつから気付いてた?
いやいや、こんなのカマかけられてるだけだって
A「どうしてそう思うんですか?」
いちご「どうしてわからないと思うの?私、あおいのことならなんでも分かるよ、なんでもね」
星宮先輩は私の肩を抱き寄せるように掴むと、ぐいっと顔を近づけた
なに?なんなの??
いちご「だめ、あげないよ」
A「!?」
見定めるような視線、ううん、これは・・・、
いちご「あおいはね、私のことがだぁいすきなの、私無しには生きられないくらいに」
A「なにを―――」
いちご「いい子だし、優しくて、すっごい可愛いよね、わかるよ、でも―――」
その"目"を見た私は、背筋が凍りついた
いちご「あおいは"私の"だから」
A「―――っっ!?」
怖い、恐怖、絶望、畏怖・・・、
冷たい雨に打たれたように、真っ黒な何かが私に染み込んでくる
それがなすすべもなく肌にまとわりついて体温を奪っていくような錯覚をおぼえた
女優としても一流のトップアイドル、星宮いちご
それはつまり、見た者に恐怖を与える
首を絞められているように息ができない、
指一本動かせないほどに、私はその"目"に圧倒されていた
いちご「私を困らせないでね?」
A「・・・っ、ぁ、」
あおい「何の話?」
ガチャ、とドアが開いてあおい先輩が戻ってきた
星宮先輩はパッといつものとぼけた表情に戻る
いちご「なんでもないよ」
私はまだ事態を飲み込めないまま、メチャクチャに暴れる心臓を押さえつけるのに精一杯だった
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きらるり(プロフ) - こんにちは!コメントありがとうございます!ドキドキしていただけてとても光栄です!これからもドキドキなお話を書けるよう頑張ります♪ (2016年9月5日 6時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
小林ふうり@dr(プロフ) - 面白かったです。私はあおい推しなのでとてもドキドキして、良かったです。これからも、頑張ってくださいね! (2016年9月3日 15時) (レス) id: d5d4dc728a (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - 夏気味うどんさん» はじめまして!読んでくださってありがとうございます!そう言っていただけると本当に嬉しいです!書いてよかった・・・(´▽`) こちらこそコメントありがとうございました!! (2016年8月18日 23時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
夏気味うどん(プロフ) - わーーー!!こういうお話待ってました!!素晴らしい小説ありがとうございますっ!!! (2016年8月18日 23時) (レス) id: 90d1ded8fc (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - 唯さん» 唯さんいつも一番乗りありがとうございます!更新頑張ります!ドロシーのお話も半分くらい下書きできてるのでもうちょっと待っててください( ; ̄ω ̄)ゞ (2016年8月4日 22時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きらるり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/krrr_homepage/
作成日時:2016年8月3日 23時