アイカツ！フューチャリングジェネレーション 第1巻

第6話 スタートダッシュ ページ7

A「無理です！」
あんず「いいから！」

アイカツ部に入ってから数日後・・・、
私たちはなぜか崖の前に立っていた

A「何で崖なんか登るの！？アイドルと関係なくない！？」
あんず「登ってみればわかるから！」

なにこれ！意味不明！

あんず「資料によれば、この崖はかつて多くのアイドルたちを鍛え上げてきた素晴らしい崖らしいわ」
A「100年前の人達って頭おかしいんじゃないの？」
あんず「さあほら、千里の道も一歩からよ」

霧矢さんの可愛すぎる顔で詰め寄られると、ハイとしか言えなくなる私・・・、
仕方なく掴まれそうなところに手をかけていく
まだ新しいジャージなのに、もう泥んこになっちゃいそう・・・、

あんず「アイ！」
A「カツ！」

これは昨日教えてもらったかけ声
昔はアイカツするときにはこうしてアイ！カツ！って言ってたらしい

あんず「アイ！」
A「カツ！」

それにしても・・・、
これ、結構キツいんですけど

あんず「アイ！」
A「あの、これ落ちたらヤバくない？」
あんず「アイ！」
A「あの」
あんず「アイ！！」
A「カツ！！」

あ、ダメだこれ、もうやり切るしかない
私たちは死にそうになりながらひたすら崖を登り続けた


☆★☆★☆


あんず「さすがに、ハァッ」
A「ハァッ、もう無理」

結局・・・、
てっぺんに着いたのは1時間くらい登り続けた頃だった
全身が痛いしもう一歩も動けない

でも・・・、

あんず「みて、夕日が綺麗」
A「そうだね」

茜色に染まった霧矢さんの横顔はあまりにも美しくて・・・、
キラキラ輝く長い髪はブルーと夕焼けの赤が混じって幻想的な色を生み出していた

あんず「ねえ、この太陽が丘中学校が昔、別の学校だったのは知ってる？」
A「え？うん、何となく」
あんず「アイカツアイドル養成学校、スターライト学園」

霧矢さんは私に振り向いて言った

A「スターライト学園・・・、」
あんず「ここは世界で最も数多くのアイドルを生み出した、最高のアイカツ学校だったの。私のひいおばあちゃん達もここの生徒だった。アイカツが衰退してスターライト学園が廃校になった時、当時の学園長から校舎だけを譲り受けて普通の中学校として再利用することにしたの」

かつてのアイドル学校
広すぎる敷地や建物の謎が今解けた

あんず「私たちがここにいるのは偶然じゃない」
A「うん、これはきっと私たちにしかできない使命」

私たちは夕日の中で夢を誓い合った

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