【アイカツ！】マガトの呪いと宵闇のコーデ

第20話 禍門(マガト) ページ21

どうすればスミレちゃんを助けられる？
これがきっと最後のチャンスだ

マガトの鏡を壊せば、とりあえずループは止められるかもしれない
でも宵闇のコーデはスミレちゃんの願いを別の方法で叶えようとするかも

いや・・・、
宵闇のコーデはマガトの鏡から現れた
なら本質的にこのふたつは繋がっているはず

だったら・・・、

A「いいよ、私を撃って」

私はスミレちゃんの方へとゆっくり歩いていった
冷たい銃口が額に当たり、距離がゼロになる

スミレ「ありがとう。それじゃ、また明日。今度は私が部屋まで迎えに行くね」

スミレちゃんは笑った
そして、引き金を引いて・・・、

パン！

その瞬間、私はピストルを手で思いっきり弾き飛ばしていた

スミレ「きゃっ！？」

地面を滑っていくピストル
スミレちゃんは一瞬の動揺ののち、すぐにピストルの方へと駆け出した

私は、逆向きに走った
そこには、マガトの鏡がある

私が鏡を拾い上げると同時に、スミレちゃんが「動かないで！」と叫んだ

スミレ「それを壊しても無駄よ」
A「わかってる。だから、こうするの」

私は胸ポケットからサインペンを取り出して、鏡面にぐちゃぐちゃの線を書きなぐった

A「これを見て！」

マガトの鏡がスミレちゃんを映した

スミレちゃんの動きが止まった
そう、まるで鏡に描かれた線が、本当の縄のように巻き付いたみたいに

A「やっぱり、あなたはこの鏡に縛られてる。そして鏡を壊してもあなたは自由になるだけ」

驚いた表情のまま固まって動けないスミレちゃんの手から、私はピストルを奪い取った
そして・・・、

A「壊れるのはあなたよ。スミレちゃんは返してもらうから」


パン！


私はスミレちゃんの、いや、宵闇のコーデの胸を撃ち抜いた

次の瞬間・・・、


「ぎゃあああぁぁぁぁああああ！！！！」


スミレちゃんの口から、スミレちゃんのものではない絶叫が響いた
同時に、スミレちゃんの体が、まるで鏡が割れるようにヒビが入っていく

A「やっぱり、そういうことね！」


パン！パン！パン！


私は立て続けにコーデを撃ち抜いた


そして・・・、




『バリ───────ン！！！』


ガラスの割れるような音がして、スミレちゃんの周囲が空間ごと割れた
地面に破片が飛び散る

その中心には、制服姿のスミレちゃんがいた

A「スミレちゃん！」

意識がないのか、そのまま倒れそうになったのを、私は駆け寄って支えた
冷たい冬の風が吹き始めていた

最終話 永遠の灯→←第19話 ルナティック

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す