【アイカツ！】マガトの呪いと宵闇のコーデ

第11話 籠の中で ページ12

A「あそこも行ったし、あれも見たし・・・、うん、完全制覇だね」

景色がよくなってきたところで、私は自分用に買ったお土産をひとつ口に入れた
綺麗な青のキャンディだ

スミレ「もう食べちゃうの？」
A「だって食べたかったんだもん」
スミレ「フフッ」

スミレちゃんには赤のキャンディ
この遊園地のゆるキャラの顔をしている

キャンディは甘くて、ちょっとハチミツの味がした

A「青いのにハチミツだこれ」
スミレ「私のもそう。きっと色だけなんだね」

袋をカバンにしまって、また窓の外を見る
沈み始めた太陽は最後の輝きで私たちの街を幻想的に照らしてくれていた

スミレ「見て、一番星」
A「ほんとだ」

暗い方の空にはもう星が瞬いている
満月の近付いた月も、雲ひとつない空で堂々と光を放っていた

スミレ「今日は本当に最高の一日だったね、こんな一日が毎日続けばいいのに」
A「ほんとにね」

スミレちゃんは向かいの席から、何故か私の右隣に座りなおした
え？なに？

スミレ「ねえ、てっぺんキスって知ってる？観覧車のちょうどてっぺんに着いた瞬間にキスしたふたりは、永遠に結ばれるの」
A「知ってるけど、なんで今言うの？」

だって、もうすぐてっぺんじゃん
まるで今から・・・、

スミレ「私はAちゃんとずっと一緒にいたい。たとえどんな関係になっても、離ればなれにだけはならないの」
A「それって・・・、」
スミレ「だからこれは、誓いのキス・・・、」

夕日に照らされたスミレちゃんはあまりにも綺麗で・・・、

何も言えず動けなくなった私に、スミレちゃんは短くキスをした

私の、ほっぺたに♡

スミレ「フフッ、唇にされると思った？」
A「ばっばか、照れるじゃん」
スミレ「それは最後のお楽しみだから♡」

やられた・・・！
仕返しに思いきってスミレちゃんのほっぺたにキスしたら、今度は指で脇腹をつつかれた
もう！ばか！好き！

スミレ「それじゃ、そろそろ時間だね」

スミレちゃんは私の反撃を笑ってかわしながら、自分のカバンからピストルを取り出した



え？



スミレ「幸せな一日にも色々あるのがわかったし、次はきっともっといい一日になるよ」

なんで・・・、

私は言葉を失った

スミレ「そんな顔しないで。大丈夫、もうすぐ月が満ちるから・・・、だから今宵も、ごめんね」


パン！


あの音がして、カゴの中に私の血が飛び散るのが見えた


そして私は、あっけなく死んだ。

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