ねたあつめ。【歌い手】 (ページ4)

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きみ専用魔法使い。ページ4

「なにか願い事とかありますか？ボクが叶えてあげますよっ！！」

…どうしてこうなったのだろう。

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私と彼が出会ったのはついさっきの事である。

今日も外に出ずひきこもりライフを満喫していると、とんとんとリビングの扉がノックされた。

何でノックする必要があるんだ…？と当時ノックしたのが兄だと思っていた私は、何の警戒心も抱かずリビングのドアを開けた。

「あれ？」

しかし、ドアを開けても誰もいない。

気の所為か。さっきまで実況動画見てたしその動画でノックの音が流れてたのかも。

そう判断した私はドアを閉めてソファに戻ろうとした。

が。

むにっとした何かに邪魔され、ドアを閉める事が出来なかったのだ。

私が首を傾げながら視線を床に持っていくと。

ドアの隙間にてるてる坊主のぬいぐるみが挟まっていたのだった。

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「…」

思わずフリーズしてしまう私。

誰がこんな所にてるてる坊主のぬいぐるみを…？

機能停止から再び動き出した私がそのぬいぐるみを取ろうとすると、

むくりと、てるてる坊主の頭の部分が何もしていないのにも関わらず持ち上がった。

そして、再びフリーズした私に頭を上げたてるてる坊主は、

「…痛いではないか。」

めっちゃ可愛い声でそんな事を私に言った。

言った

「我が主がピンチなのじゃ。おぬしの家の前で溶けておるぞ。助けてやってはくれないか。…ちょ、何ボクを無視しようとして…待つのじゃーっ！！」

「ぶへっ」

思わず逃げようとしていた私の背中に勢い良く体当たりしてきたてるてる坊主。

なんなのこいつ空も飛べるのか。

「と、取り敢えずご主人の元まで来るだけ来てはくれないか。そうすれば状況は把握できよう。」

ふわふわと宙に浮くてるてる坊主はそう言って私の髪の毛をぐいっぐいっと引っ張ってくる。

「わかった！わかったから髪の毛離して～！」

もう、どうなってんだ。

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