死神の日記 後編 ページ10
◯月◯日
五代神会議があった。妖精族の村の事を話した。
天照大神は驚いていたが、生き神は後始末がカンペキだと褒めてくれた。あまり嬉しくなかった。
すると破壊神が私を怒った。怒ってくれた。
お前がなんとかすればよかった、と。
そして喧嘩で解決しようと提案してきた。
彼は自分でも力を使いすぎていると自覚しているのだろう。それでも私のためにそこまでしてくれた。
本当に、彼はいい友人だ。
◯月◯日
破壊神の容態があまり良くない。
消滅とまではいかないが、これだと生き殺しだ。
顔のヒビが首の当たりまで伸びている。このままだと、破壊神が壊れる。
破壊神は本来、自らを壊すことで開放を与える神だ。
このままでは彼は―――。
私は破壊神を助けに行こうと思う。
まだ私は、彼の友人でありたいから。
日記はここで終わっていた。
「短い…じゃなくて」
破壊神様が壊れそう?破壊神は自らを壊すことで開放を与える神?
…やばい。何も理解できない。
そして一番最初の言葉。
時空神ヒロという名前は、俺も聞いたことがある。
時を操る神で、その本来の姿は誰も知らないらしい。
神としては羊の姿で信仰されているが
時を駆ける神である彼は、いつも同じ姿でいることがないらしい。
そんな時空神ヒロが、好きになったものを永久の時に閉じ込める悪魔…?
永久の時に閉じ込める…って何。
(でも、破壊神様を助けようとしてるってことは、破壊神様の所にいるってことだよね?)
それなら、そこに向かわないと…。
そう思って、生き神様の真似をして窓から飛び降りたら、案の定腰から落ちた。超痛い。
「どぬく…お前何してんだ?」
「しっ、師匠…」
着地に失敗したところを見られてしまった。恥ずかしい。
「破壊神様の祠の場所を知りませんか?」
「え?知らないけど…あ、あいつなら知ってるかも」
「あいつ?」
そういえば、消えたたっつんと逃げたもふくんはどこに行ったんだろう。
もふくんにもきっと事情があった…ハズ。
というかそもそも、のあさんはどこに行ったんだ。あの人には色々と聞きたいことがある。
「じゃあ、行くか」
「どこにですか?」
「決まってるだろ」
師匠は何故かドヤ顔でこちらを見た。
「神様に詳しい人の所」
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作者名:青空 冬 | 作者ホームページ:sakurasaku
作成日時:2024年2月10日 22時