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1人の偽物 ページ15

「は…?にせ、もの…?」
「君は俺の"お気に入り"だからね。特別に教えてあげよう」
まず初めに、と時空神は口を開く。
「この現象は地獄の誰かの仕業だよ。あぁ、俺はその辺りを詳しくは言えないけどね。
 その地獄の誰かさんのせいで偽物が大量発生してる。それを放置すると…」
「放置すると…?」
すっかり話に聞き入っているどぬくに、ヒロはニヤリと気味の悪い笑みを浮かべて一言。
「気づいたら偽物と入れ替わってて死ぬ」
「怖っ」
突然そんな怖いこと言われても…とたじろぐどぬく。
「俺は君のことは最低限守ってあげるけど、他の子は守れないからなぁ」
「…!」

「妖狐クン、信じないほうがいいよ」

「…え?」
生き神は、その金色の目に時空神を映したまま、どぬくに話しかける。
「そいつは嘘つきだ。君を騙そうとしてる」
「嘘なんてついてないよ。俺はお気に入りにヒントをあげただけ」
(いったいどうすれば…?)
第1、今俺には結構やらなければいけないことがある。
もふくんを探さないといけないし、のあさんも探さないといけない。
ここに偽物が1人なら、最悪本物に師匠を預けて移動すればなんとかなるだろうか。
いや、師匠が偽物の可能性もある。
ここはどうするのが正解なんだ…?
『師匠を死神様に預けて』
「…!」
そうだ。おそらく未来の俺は、ここで死神様に師匠を預けなかったんだ。
一度助けてくれた生き神様を信用して。
そしておそらく師匠は―――

「…生き神様が偽物です」
「え…?」
そうだ。今の俺には、確かめる術がある。

「…俺には、言葉が真実か否か確かめるスキルがあります。それを使ってもいいですか?」
「…!」
いわゆる、脅しだ。
実際に使ってもいいと言われても使えるし、生き神様…の偽物もそれを分かっているだろう。
「ここには死神様、Sランク妖怪の師匠、上には破壊神様もいます。今自分で正体を明かすか
 それとも俺のスキルで嘘がバレるか…どっちがいいですか?」
「…」
生き神様は黙ってうつむく。
ズルリ、という音が鳴り、生き神様の白く絹のように美しい髪が、美しさを失い、黒く染まってゆく。
「あぁ、バレたか…でも、やっと終われる」
「…!危ないっ!」
時空神がギリギリでどぬくをかばう。
どぬくがいた場所は、1mほどの深穴ができていた。
先程までの朗らかで優しい、生き神様はその場にいない。
いつから偽物だったかも、分からない。
「…お前は誰だ?」
「俺?俺は君もよく知っている人だよ」
そのオレンジの目にハイライトは映らない。
「俺の名はうり。傲慢で強欲な地獄の使者」

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作者名:青空 冬 | 作者ホームページ:sakurasaku  
作成日時:2024年2月10日 22時

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