これをカオスというのだろか。 ページ14
「てめっ、ほんとふざけんなよ!?」
「ワー、コワーイ」
(…?)
奥から聞こえてきたのは、死神様の罵声とあまりにも棒読みすぎる生き神様の声。
(もしかして喧嘩してるっ…?)
シヴァさんが破壊神であるとはいえ、何度か未来の俺にやられていた。ということは、ここで五代神二人が喧嘩したら
間違いなくシヴァさんは消える。というか俺達も消える。
(止めないとっ…!)
俺は急いで階段を駆け下り、奥にある扉を開けた。
「なんで私の日記勝手に見てんだよ!」
「いやー、面白かったよー?なんだっけ、"私はまだ、彼の友人で「本人が上にいるんだからそういうこと言うな!」照れすぎw」
…これは生き神様が悪い。
生き神様の胸ぐらをつかむ死神様と、それを見ながらからかっている生き神様。カオスとはこういうことを言うのだろうか。
「それにしても、破壊神のことだけで五代神会議をすっぽかすとか、度胸あるねぇ」
「破壊神も五代神だから同然だろうが!」
「えー?他意はないワケ?例えば、破壊神が気になるとか…」
「神にそういう感情は備わってねぇよ!」
師匠がこめかみを指で抑える。これは相当疲れている。
「いいねぇ、すごく楽しそう…俺も混ぜてくれる?」
「…!」
死神は生き神の胸ぐらを掴んだまま、金色の目で声の主を睨む。
(誰だ、あれ…)
夜空の星を思わせる銀色の髪に、白銀の雪を思わせる目。
白いポロシャツの上から灰色のマントを羽織っているその姿は、なんというか、季節外れだという感じが強い。
印象だけで言ってしまうと、身長はたっつんさんより少し高いくらいだろう。
「お前…時空神か」
「だいせいかーい!よく分かったね」
「あぁ、死神の日記で五代神にいれるか迷ってた人」
生き神が胸ぐらを掴まれた状態で頷く。いい加減苦しくないのだろうか。
時空神はゆっくりとどぬくに近づく。
どぬくは何がなんだか分からず動けない。えともなぜか動けない。
時空神はえとの横を通り抜け、どぬくの右手を取り―――
「かわいい…!」
「…は?」
白い肌を少しだけ赤く染め、そう呟いた。
「かわいい!ケモミミモフモフしたい!尻尾フワフワじゃん!絶対!」
「あの…えぇと…?」
「はぁぁぁぁぁ…かわいぃぃぃぃ…一生守りたくなるかわいさ」
えとは無言でどぬくに近づき、どぬくの着物の袖をそっと引っ張ってこちらに引き寄せ
なんだこいつという目で時空神を見た。
「そんなに警戒しないでよぉ。俺はただ予言を伝えに来ただけ」
「予言…?」
時空神はニッコリと笑う。
「この中に1人、偽物がいるよ」
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作者名:青空 冬 | 作者ホームページ:sakurasaku
作成日時:2024年2月10日 22時