変な奴らばっかり来る ページ13
「で、まァBランクの妖怪に化けていたわけだがァ…以外とバレねェもんだなァ」
後頭部をガリガリと雑に掻いて、破壊神は鏡の横のレバーを下げる。
鏡が消えて、階段が現れた。
「安心しろォ、死神と生き神には変なこたァしてねェ。ここを降りれば会えるさァ。
俺は後で向かうから、先に行ッてろ」
「…最後に1つ、聞いていいですか」
「あァ?」
どぬくは勇気を振り絞って、破壊神を―――シヴァを見た。
「どうやって、蜃気楼に化けていたんですか?」
「…そんなの、簡単だよ」
シヴァは、いたずらっぽく笑った。
「"破壊神は化ける能力を持たない"っていう理を壊しただけ」
「…あァ、またお客さん?」
「…」
バグった声を抑えるつもりもなく、玄関に立っている人物を見る。
「今日は変な奴ばッかり来るなァ。アンタがこのあたりにいるなんて珍しい…」
シヴァは、神について学んでいる。
だから、目の前の神に敬語なんていらない。
「お気に入りのガキでも出来たかァ?…あぁ、そういえば、どぬちゃんの近くに白い小鳥がいたね」
急に普通のシヴァに戻る。
どぬくのことを思い出したからだろうか。
「もしかして、それが君だったり?…お互い隠し事があるなんて、大変だねぇ
…いいよ。中に入れてあげる」
どうぞ、と、シヴァは神を階段の方に案内した。
「…ああ、そうだ。最近、偽物騒ぎがこの辺りで起こってるよね。えとちゃんも言ってた」
階段を降りようとしていた神は、ピタリと立ち止まる。
「そいつに言っといてよ。誰に化けても構わないけど、えとちゃんに手を出したら怒るよーって。まあ、俺今弱りまくってるけどさw
多分未来のどぬちゃんにやられてたと思うから、Sランクより弱ってるねぇ」
自分の手のひらを見ながら、グーパーと開いたり閉じたりしてみせる。
「まあ、君も嫌でしょ?お気に入りを壊されたら」
「…」
神はシヴァを見た。まるで積もった雪のような銀色の目に、陽気に笑っているシヴァが映る。
「俺は弱ってるから力は貸せないし、まあ力があっても貸すつもりもないけど…」
肉食動物が弱った獲物を見つけたように、シヴァはニンマリと笑った。
「まあ頑張ってね、
時空神ヒロは、何も話さずに階段を降りていった。
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作者名:青空 冬 | 作者ホームページ:sakurasaku
作成日時:2024年2月10日 22時