検索窓
今日:17 hit、昨日:0 hit、合計:221 hit

悲劇 ページ6

「え…?し、しょう…?」
テストから帰ってきたら、そこにいたのは、テストのために来ていたシヴァさんと、そのシヴァさんを庇うように倒れた師匠がいた。
「どぬくん…にげ、て」
「シヴァさん―――?」
血まみれのシヴァさんが、必死で俺を逃がそうとしている。
周りからそんな気配はしない。
(何が―――?)
そう思った瞬間、ドシャリという音を立てて、シヴァさんが倒れた。
「え…?」
その後ろにいた人は、フードを被っているせいで、誰かは分からない。
「だ、れ…?」
怖い。体が震える。
ビシャビシャという音をたてて血溜まりを歩いてくる男。
その"匂い"は、どこかで覚えている気がした。
「あぅ…あっ…」
カタカタと体が震える。足が動かない。
男が持っていたナイフが、体に突き刺さりそうになる。
手が動かない。刀が持てない。
(死んじゃう―――!)
ギュッっと目を瞑る。
しかし、その痛みが来ることはなかった。
変わりに俺の耳に届いたのは、小鳥が鳴くような、か細い声だった。


「…?」
突如、頭に鈍い痛みが走る。
「何寄り道してるんだよ、どぬく」
「―――師匠?」
師匠は、不思議そうな顔をして、こちらを見つめる。
「なんだよ、幽霊でも見たような顔して」
「師匠、さっき…」
「寝ぼけてんのか?ほら、さっさとテストの続き行って来い」
思いっきり背中を押されて、転けそうになる。
(気のせい…かな?)
そう思い、再び走り出す。
気づけば、俺の頭の上には、白色の小鳥が乗っていた。


「―――っ!な、んで…」
やっぱりアレは、気の所為なんかじゃなかった。
鮮明に刻まれた記憶が、頭の中で蘇る。
「どぬくん…にげ、て」
フードを被った人物が、こちらに歩いてくる。
頭に、体に、意思に刻まれた記憶と、まったく一緒だった。
「…っ!」
たしか、ここで目を瞑ったんだ。
そしたら、小鳥の鳴き声が聞こえて―――



「何寄り道してるんだよ、どぬく」
「…っ!」
(やっぱり…)
頭に走る鮮烈な痛みと共に、前の時間に戻ってきている。
目の前にいるのあさん、こちらを不思議そうに見る師匠

(やっぱり、今ここは、ループしてるんだ)
えとに言われて森を駆け抜けている時、どぬくはその事実に確信を持つ。
(俺が、師匠を救わないと。じゃぱぱさんに、そう約束したんだから)
そう思ったときにはもう



俺の頭の上に、1羽の白い小鳥がいた。

永遠のループ→←白色の小鳥



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

青空 冬(プロフ) - みいなさん» コメントありがとうございます!やっと20話行きましたー!応援ありがとうございます!神ってる…✨めっちゃ嬉しいです!いつもありがとうございます! (2月10日 22時) (レス) id: dfbd65d4da (このIDを非表示/違反報告)
みいな - わあ〜!!20話おめでとうございます!めちゃくちゃ楽しみです!毎回切る所が神がかってるんですよ、、。(内容も神、ハイ。)6章も見ます!!頑張ってください!!! (2月10日 22時) (レス) @page20 id: 0fded84a07 (このIDを非表示/違反報告)
青空 冬(プロフ) - みいなさん» コメントありがとうございます!そうなんです…でも、のあさんも結構出す予定です!引き続き見てくれると嬉しいです! (1月25日 20時) (レス) id: dfbd65d4da (このIDを非表示/違反報告)
みいな - すごい展開になってきましたね……!!のあさん会なのかな?っと思っていたら急な展開に!想像力半端ないですね、、(いい意味で)とっっっっっっても面白いです!これからも応援しています!! (1月25日 15時) (レス) id: 0fded84a07 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:青空 冬 | 作者ホームページ:sakurasaku  
作成日時:2024年1月15日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。