いるわけがない ページ16
ﾄﾞｻｯ
衝撃がすごいのに、体が痛くない。
その理由は、九尾の狐がなんとかしてくれたのか、それとも俺のレベルが２０になったからなのかは分からない。
「こっ、怖かったぁ…」
「だから…嫌だったのにっ…」
二人揃ってへばっているが、あくまでもココは〈死の森〉。
この国で最恐の森なのだ。
「で、なんでこんな所に来たかったの？」
「ん？ああ…スキルが見たかっただけ」
「…は？」
レベルが２０になったということは、スキルが出てくるということ。
新しいスキルは事前に確認しておきたい。
それに、今は前までの元凶がここにいるから、ほとんど安全だろう。
「なあ、スキルって―――」
「あれ？妖狐くんだ！今日はえとちゃんと一緒じゃないんだね」
柔らかな水色の髪をツインテールにまとめ
薄い水色の大きな目でこちらを見つめているのは、妖精族の村長の孫、サンザシ。
「サンザシさん！その…この前はゆあんくんがすみません…」
なんせ、妖精族の村は一度ゆあんくんが燃やしている。
俺の仕業ではないが、迷惑をかけたのに変わりはない。
「ああ、大丈夫。あの後、死神様が支援をしてくれたから」
「死神様が？」
どうやら、資金や働き手を手配してくれていたらしい。
おかげで復興も早く進んだとか、なんとか…。
「今日は何しに来たの？」
「スキルを確認しに」
「わかった！ちょっとまっててね、今開けるからさ」
サンザシが大きな木に手を当てて、魔力を流し込んだ瞬間
九尾の狐がどぬくの手を引いて、俺の耳元で話す。
「…帰るよ」
「え？」
九尾の狐は、焦ったような表情で俺を見る。
「俺の世界線では、サンザシさんは"あの後師匠の前に現れた"」
「―――どういう事？」
まだ分からないのか、という呆れと、早く分かってくれという焦りの表情が入り混じり
どぬくをつかんでいた手に力が入る。
「だから、あそこにサンザシさんがいるわけがないんだよ！」
「…え」
でも、妖精族しか、妖精村は開けられない。
頭の中が混乱している。しかし、その間に周りの景色が変わった。
「いつまでもじっとしているから、もう転送させちゃったけど…スキル、確認するよ？」
困ったように眉を潜めてどぬくを見るサンザシ。
その目は、九尾の狐を捉えてすらいない。
どぬくが何かを言おうとした時、どぬくの体が光に包みこまれ―――
どぬくの目の前に浮かび上がる文字と、驚いたようなサンザシの表情
どぬくの横で歯を食いしばり、何かを我慢しているような表情をした九尾の狐。
そしてその場にいる三人の目線は―――いつの間にかどぬくの頭の上にいる、白色の小鳥に集まっていた。
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青空 冬(プロフ) - みいなさん» コメントありがとうございます！やっと２０話行きましたー！応援ありがとうございます！神ってる…✨めっちゃ嬉しいです！いつもありがとうございます！ (2月10日 22時) (
レス) id: dfbd65d4da (このIDを非表示/違反報告)
みいな - わあ〜！！20話おめでとうございます！めちゃくちゃ楽しみです！毎回切る所が神がかってるんですよ、、。（内容も神、ハイ。）6章も見ます！！頑張ってください！！！ (2月10日 22時) (レス) @page20 id: 0fded84a07 (このIDを非表示/違反報告)
青空 冬(プロフ) - みいなさん» コメントありがとうございます！そうなんです…でも、のあさんも結構出す予定です！引き続き見てくれると嬉しいです！ (1月25日 20時) (レス) id: dfbd65d4da (このIDを非表示/違反報告)
みいな - すごい展開になってきましたね……！！のあさん会なのかな？っと思っていたら急な展開に！想像力半端ないですね、、（いい意味で）とっっっっっっても面白いです！これからも応援しています！！ (1月25日 15時) (レス) id: 0fded84a07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青空 冬 | 作者ホームページ：sakurasaku
作成日時：2024年1月15日 22時
