歌声は、猫か狐か ページ2
「♪〜♪♬〜」
「…？」
地獄のテスト期間、走り込み中に、どこからか歌が聞こえてくる。
(普段はしないんだけどな…人が来ないから選ばれているわけだし)
今はまだ〈始まりの森〉で、人が通るのに違和感はないが、このあたりはCとかDの妖怪が多くて、あまり人が寄り付かない。
(旅人…？でも、ここに来たなら迷うだろうし…)
過去にどぬくがこのあたりで人に出会った記憶はない。
本当に迷った人がいるのではないか？
ガサガサと茂みを進んでみると、見覚えのある人がいた。
２つに裂けた尻尾、ピンクの髪はクッキーの髪飾りで結われている。
「…のあさん？」
「？…あっ！あの時の妖狐さん！」
たっつんともふくんが喧嘩していた時に出会った、猫又の女の人だ。
「こんな所で何してるんですか？」
「えーっと…ほら、私弱いからさ、あんまり人がいない所にいるのが好きなんだよね！」
なるほど。種族的に弱いと、確かに旅人に襲われてしまうかもしれない。
「でも、のあさんってそんなに弱そうに見えないんですよね…」
「…え？」
のあは、少しだけ目を見開く。
「なんていうんだろう…オーラ？が師匠と似てるんですよね。
あ、師匠っていうのは、俺を育ててくれている人なんですけど」
驚いたような顔でどぬくをマジマジと見つめるのあ。
「…ねぇ、妖狐さん」
「はい？」
茂みが風もないのにザワザワと揺れる。
のあの顔に影が落ち、かわいらしい笑みが少し恐ろしく感じる。
「もしも、私が―――」
「何寄り道してんだよ、どぬく」
「ぅわあ！？痛っ！」
のあが何かを言おうとしたその時、どこからともなく現れたえとが、どぬくの頭にゲンコツを落とす。
「ん？あぁ、あの時の―――」
えとはしばらく何かを考えて、どぬくの方を見る。
「お前はさっさとテストの続きをしてこい」
「えぇ…。分かりましたよぉ…」
どぬくは、渋々テストに戻っていった。
「…で、もう元の姿に戻っていいぞ」
「…何の話かな？」
えとは、のあに向かって淡々と告げる。
「前、お前と会った時、どぬくでも場所が分からなかったのに、お前は簡単に言い当てた。
その時から思っていたんだ。お前は猫又よりも、何十倍も強い」
のあの顔から、笑みが消える。
「お前は猫又なんて低種族じゃない…。その気配からして、九尾の狐か？」
「…さすがは【異端のSランク】。感が鋭いね」
のあを黒い靄がが包み込む。
出てきたのは、猫又ではない。
Sランクでも上位の攻撃力を持つ妖怪【九尾の狐】だった。
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青空 冬(プロフ) - みいなさん» コメントありがとうございます！やっと２０話行きましたー！応援ありがとうございます！神ってる…✨めっちゃ嬉しいです！いつもありがとうございます！ (2月10日 22時) (
レス) id: dfbd65d4da (このIDを非表示/違反報告)
みいな - わあ〜！！20話おめでとうございます！めちゃくちゃ楽しみです！毎回切る所が神がかってるんですよ、、。（内容も神、ハイ。）6章も見ます！！頑張ってください！！！ (2月10日 22時) (レス) @page20 id: 0fded84a07 (このIDを非表示/違反報告)
青空 冬(プロフ) - みいなさん» コメントありがとうございます！そうなんです…でも、のあさんも結構出す予定です！引き続き見てくれると嬉しいです！ (1月25日 20時) (レス) id: dfbd65d4da (このIDを非表示/違反報告)
みいな - すごい展開になってきましたね……！！のあさん会なのかな？っと思っていたら急な展開に！想像力半端ないですね、、（いい意味で）とっっっっっっても面白いです！これからも応援しています！！ (1月25日 15時) (レス) id: 0fded84a07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青空 冬 | 作者ホームページ：sakurasaku
作成日時：2024年1月15日 22時
