頑張り屋の廉くん31

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大吾side

廉と病室に移ってから20分後。

紫耀たちが飛んでやってきた。


海「廉…」

「今は痛み止めのお陰で眠れとる」

岸「良かった、」

紫「って事は、かなり痛み強いんだね」

「おん。折れとってしかも打撲と切り傷やからなぁ。当分痛み止めが無いとキツイと思う」

玄「でも、ありがとう。助けてくれて」


そう言った後、メンバー全員が俺に頭を下げてきた。


「全然、そんな。友達として当たり前のことしただけやから」

紫「それでも、助かった。コイツずっと黙ってたと思う。大吾が気づかなかったら」

「紫耀…」

紫「何度言っても、何度伝えても。廉は迷惑とかお荷物になるとか言って、全然俺らを頼ってくれねーからさ」


そう言って悲しそうに笑う紫耀。


海「ほんと。昔からの仲なのに…。いや、昔からの仲だからこそ言いずらいのかも」

神「それはあるね。廉、周りの事ばっかだから」

「そうやね」


ホントにそう。

人一倍、迷惑を掛けたくないと頑張って

無理をし過ぎて、倒れてしまう。というのがお決まりみたいなもの。


紫耀たちも、ずっと

頼れとか甘えてええねんでって伝えてるらしいねんけど

もう廉の性格なんか生まれ持ったもんなんか

一向に変わる気配すら見えへん。


岸「けど、最近…漸く、言うまでの時間は長いけど、一度吐き出しちゃえば結構甘えてくれるよな？」

玄「そうだね。そこは大きな成長だよね。廉にとって見たら」

紫「うん。まぁゆっくりでいいけど…こういうことは早く言って欲しいな」

海「ほんと。話聞いた時心臓飛び出るかと思ったもん」


その意見に同感。

俺も、傷見た時も廉から直接話を聞いた時も

ぞっとしたし、びっくりした。

よくこんな地獄のような日々を1人で

1か月間も耐えてたなって。


神「変な所で、意地張るんだから…」

玄「ほんと。頑張りやな所の使い道間違ってるよね」


何て話してたら、廉がゆっくりと目を開けた。


廉「え…なん、で…」

紫「大吾から連絡もらったの。ごめんね？気づいてあげれなくて」


起きる前は言えだのなんだの言ってた紫耀やけど

結局廉には甘くて優しい。


廉「…おれも、ごめん…言わんで」

海「ううん。いいの。脅されてたんでしょ？言うなって」


その言葉に小さく頷いた廉。

きっとそうに違いない。そうやなかったら

ここまで我慢する必要ないもんな。


「廉。もう安心し。俺が助けるから」

廉「ん、ありがとう」


それからまた廉は疲れたようで眠ってしまった

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