頑張り屋の廉くん29

5 ページ42

紫耀side

廉「海人のせいちゃうよ。にぃちゃんが隠してたんは勝手やし」

海「でもっ…」


廉が優しく海人に問いかけても

海人は中々廉の言葉を受け入れようとはしなくて…、


廉「ごめんなぁっ…言えば良かってんな？海人に。煎ぃちゃんの体調の事。したら海人のこと泣かせんかったんに。俺のことで心配掛けて、誕生日楽しめんくなったら嫌やなってそう思ってたんに結局泣かしてもうたわ、俺」


まだしんどいはずなのに

海人に優しく声をかける廉は

優しいお兄ちゃんの顔をしてた。


海「れっ…にいっ…」

廉「おん、ごめん。ホンマ。でももう、父さんのお陰で楽なったから。な？あともう数時間だけやけどお祝いさせてや、海人のお誕生日」

海「っ、うんっ…」


そして最後は海人の顔にも

笑顔が戻って一件落着。


今日は日曜日だけど

特別な日ってことで父さんが『夜更かし』を

許してくれてみんなで二次会的なのを開いて

海人の誕生日を再度お祝いした。





*







*



成人してる、父さん、俺

玄樹、勇太の4人はお酒を飲んで


廉と海人は炭酸の飲み物で乾杯。


「海人はどんな年にしたい？」

海「んー勉強を頑張りたいんだ俺。本格的に」

優「勉強？」

海「そう。まだ誰にも言ってないんだけど、俺。お医者さんになりたいの」

「え？お医者さん？なんでそう思ったの？」


家族全員初耳過ぎて、中々上手く声が出ない


海「廉にぃの喘息治してあげたいんだ、俺が」


けど、理由を聞いて納得した。

さすがお兄ちゃん大好き海人だな、そう思った。


今の医学だと廉の喘息は悔しいけど

完治させる方法は無くて…


発作が出たらネプライザーして

あとは運動しない、埃っぽい所には近づかない


それと、廉の場合はストレスや疲労も

発作の原因になりやすいからそれらを気を付ける

っていうくらいしか無くて…


海「だから今年から勉強頑張って医学部に入って、お医者さんになって廉にぃの病気治すから」

廉「ありがとう。海人やったら見つけてくれそうな気ぃするわ」


そう言って嬉しそうな廉。

うん、なんか俺も。


海人なら廉の事も、その他の難病と闘ってる人を

救ってくれてその人たちの希望になってくれそうな

そんな気が俺もするよ。


今年は弟の夢を聞けて…

また少し大人になったなと実感させられたよ。


海人、お誕生日

本当におめでとう。


end.


--

海人くんお誕生日おめでとう。

1日遅れてごめんなさい。


次回は廉くん入所記念編です

ひとりじゃないよ（入所記念）→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す