頑張り屋の廉くん27

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廉マネside

廉「っ…」


永瀬に伝わるように

平野たちより、頼りにくいのかもしれない。

けど、でも俺だってマネージャー。


永瀬のことを支えたい

少しでも楽にしてやりたい


その思いはメンバーと変わらないから____。




・



・


廉「しんどい、ですっ…はぁっ、はぁっ…」

「うん、しんどいな。冷えピタ貼るか？」

廉「……はい、」


数分、間があった永瀬だけど

ちゃんと頼る。という選択肢を取ってくれて

しんどい。と素直に言ってくれた。


冷えピタを貼るかどうかの質問にも

数秒の間が…。


あぁ、確か冷えピタが苦手なんだよな…

とメンバーの話を思い出す。


「よし、ちょっと我慢な〜？」


近くに冷えピタは置いてあったから

ピリピリと袋から出して

薄いビニールを剥がす。


その様子を、不安気な表情で

じっと見つめる永瀬。


その視線から、めっちゃ苦手な事が

伝わってきて、俺も段々申し訳ない気持ちに…。


けど、永瀬の熱を少しでも下げる為。

と自分に言い聞かせて…


永瀬の少し伸びた前髪を

そっとかき上げて声を掛けてペタリ＿＿と

貼ってあげる。


廉「んんっ〜…」

「ごめんな、嫌だったな。時期に丁度いい温度になるから。少しだけ辛抱な？」

廉「んっ、」


熱が高いから、そんなに冷たいはずはないんだけど

もしかしてこのプニプニッとした

ジェルも苦手要素の1つなのか？


うちの娘も、小さい頃冷えピタが

大っ嫌いで家内が貼るのを苦労してたことを思い出す。


「よしよし。しんどいな、寒くは無いか？」

廉「はいっ、それは…大丈夫に、なりましたっ…」

「なら良かった」


大丈夫になった。ってことは

少し前までは寒気があったってことだよな。

気づかなかった…。



＊



＊



「あれ、寝ちゃった？」


少し前まで、しんどいだろうに

色々話を聞かせてくれてたんだけど

急に声が聞こえなくなって


今の体制じゃ、永瀬の顔が

イマイチよく見えなくて…


「スマホスマホ…」


スマホを取り出して、インカメにして

永瀬の顔を映すとスヤスヤと眠ってた。


「ふっ、なんか寝顔は幼いな…笑」


普段は、あんなにもクールで

メンバーの中じゃ、しっかり枠で

ＭＣを回したりと引っ張ってるのに


寝顔はまだまだ、俺にとっては

幼くて可愛らしくも見える。


「よいしょっと」


永瀬を寝かせて、布団をかけて

その間に氷枕を取りに行くかと

立ち上がったその時…


1本の電話がかかってきた＿＿＿。

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