頑張り屋の廉くん27

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廉マネside

廉「んっ……マネ、さ…？」

「ごめん、起こしたか？」


頭を撫でた、感覚で起こしてしまったのか

トロトロな目と視線がぶつかる。


熱の所為で、いつもよりも

たっぷり水分を含んだ目。


それだけ熱が高いってことだよな。


廉「ん、大丈夫…で、す…ごほっ…げほげほっ…」

「無理に起きんなって」


俺の家だと何となく分かったのか

無理に体を起こそうとする永瀬。


そんな永瀬の肩に手を置いて

またそっと熱い体をベットにもどす


廉「でも…ここ、マネさん家…。奥さんとか、子供さんとか…げほげほっ…」


やっぱり。

気づいてた永瀬は、こんな時でも

周りの人の心配をする。


「大丈夫だから。家内も子供も実家に帰省中なんだ。だから、俺1人だから安心して大丈夫」

廉「げほげほっ…そ、なんすね…」

「あぁ。神宮寺が休みだったんだけど、急に仕事が入ったから、平野と神宮寺の仕事が終わるまで、俺の家で我慢してくれ」


そう伝えると

気を使わしてすいません。そうまた謝る永瀬。


全く…。

熱が出ると、よく謝ると聞いてたし

そんな気がしてたけど、ここまでとは。


まぁそれくらい永瀬が

優しくて、周りを見てるって言う証拠でもあるんだろうけど。


熱の時まで、そんな事してたら

中々休まらねーだろ。身体。


廉「はぁ…はぁ…けほけほっ、はぁっ…」


熱が上がってきたのか

さっきよりもほっぺが赤くなって

呼吸も忙しない。


「苦しいな。一旦、体起こすか」

廉「全然…大丈夫っす、から…」


俺がマネージャーだからだろうか。

中々頼ってくれない永瀬。


元々頼ってくれない性格だっていう事を

キンプリの…永瀬のマネージャーになってから

早4年。なんとなく分かってはいたけど


やっぱり俺はマネージャーなんだな。

と肩を落としそうになる。


けど、そこで先輩の言葉を思い出した。

"ただ寄り添ってあげて、メンバーが傍に居れない時、メンバーにでも言えない事でも俺ら、マネージャーに言える事って、沢山あんだよ。だから、お前は永瀬さんの傍に居て、支えてやればいーの"


支えてやればいい。ただいるだけでいい。

そう教えてくれた先輩。

今がその時なんじゃ…。


そう思ったら、永瀬の体を起こして

俺に凭れさせていた


廉「っえ…大丈、夫…っすから、げほげほっ…」

「もう強がんなくていい。我慢しなくていいから」

廉「っ…」

「頼りにくいかもだけど、頼ってほしい」


気づけばそう伝えていた＿＿。

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