頑張り屋の廉くん27

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廉マネside

あぁ、心配だ。心配すぎて仕事が手に付かない。


先輩マネ(以下:先輩)「おい、大丈夫か？いつものお前らしくねーけど」

「あ、すいませんっ…」


と、一緒に作業をしてた

先輩にも心配をかけてしまう始末。


先輩「なんか心配事でも？」

「え…？」

先輩「お前が仕事に手が付かなくなる時は、大体悩んでる時か、なにか心配事がある時。今悩んでるような仕事は抱えてねーはずだから、なんか心配事でもあるのかなぁって」


あぁ、やっぱり

この先輩には頭が上がらない。


俺よりも4個上で、仕事上でも5年は先輩。

俺が新人の時から、何かと面倒を見てくれて

口はあまりいいとは言えないが、めちゃ優しい人。


「実は＿＿＿」

先輩「え、それは心配だな」

「はい。永瀬、すぐ無理するんです。大丈夫って、明らかな嘘ついて。張り付けたような笑顔で。迷惑かけたくないって、それがもう永瀬の口癖みたいなもんで」


と、気づいたら

先輩にそう言ってた。


先輩「そっかぁ、、俺も前に付いてた方が、体調を崩しやすかったりするアーティストさんでね。その方も口癖みたいに『大丈夫です』『ごめんなさい』『迷惑かけました』って。全然、そんなことないのにさ」


先輩も同じようなと言ったら永瀬に失礼だけど

体が弱い事で悩んでるアイドルのマネージャーを

したことがあるんだと、初めて知った瞬間だった。


「おれ、どうしたらいいんすかね」

先輩「そんなの。１つだよ」

「え、」

先輩「ただ寄り添ってあげて、メンバーが傍に居れない時、メンバーにでも言えない事でも俺ら、マネージャーに言える事って、沢山あんだよ。だから、お前は永瀬さんの傍に居て、支えてやればいーの」

「先輩、」


先輩のその言葉を聞いたら

すぐに永瀬の所に駆けつけて、背中を摩ってやりたい

そんな感情が一気に溢れ出てきた。


先輩「ほら、俺が残りの仕事全部引き受けてやっから。お前は、永瀬さんの所行ってやれ。メンバーも今多忙時期で、中々看てやれねーだろうし」

「いいんすか、」

先輩「いいもなにも。お前の仕事はそれ。あ、今度めし付き合えよ？」


そう言って、笑いながら先輩は

俺が手に抱えてた、資料をごっそり

抜き取って、ポンと背中を押してくれた


「ありがとうございます！失礼します！」


俺は、カバンを持って

資料室を飛び出して、車に乗って

永瀬がいる○○スタジオへと車を走らせた＿＿＿。

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