頑張り屋の廉くん27

10 ページ31

玄樹side

紫「まだ、腹痛があるみたいなんだけど…。スッキリしなくて」


そう言いながら、廉を布団に寝かせてる。

そうだよね、、


ストレス性の胃腸炎。

と診断されてからまだそんなに時間も経ってない。

中々治らないよね。


廉「はぁ…はぁ…んっ」

「しんどいね、痛いね」


お腹が痛むのか、布団の中で

ぎゅっと身を丸めて、冷や汗を掻きながら耐えてる廉。


そんな廉の頭をそっと撫でてあげると

布団からゆっくりと手を出してきて


廉「手、ぎゅって…はぁ…して、」

「うん、いいよ。手、握っててあげるからね」


手を握ってほしいと求めてきた廉の手を

迷わず握り返してあげる。


紫「温かい飲み物持ってくるね」

「ありがとう」


そんな廉の様子を見て

紫耀が温かい飲み物を取りに行ってくれた。



＊



＊



「よしよし、大丈夫。大丈夫」

廉「っ、もう…いややぁ…」

「嫌だね。元気になりたいね」


この前から、胃腸炎にかかって苦しんだ廉。

まさか2回続けて胃腸炎になってるなんて

俺も、もちろん廉本人も知らなくて…


さすがに精神的に来るよね。

廉じゃなくても、誰だって

しんどい期間が長ければ長いほど参ると思うし

治るのかな、っていう不安とも

常に戦ってなくちゃいけなくなる。



そして、廉は俺に手を伸ばしてきた


「いいよ、おいで」


廉を抱っこしてあげれば、ぴたりと

俺にくっ付くような姿勢になった廉。


俺よりも背丈はあるけど

俺だって男だもん。廉くらいなら抱っこできるし。


なんて思ってたら

温かいお茶を片手に紫耀が戻ってきた。


紫「甘えてるのは良い事だね」


そう俺らの姿を見て

優しく微笑んだ紫耀。


きっと紫耀は俺ら以上に

廉が我慢したり、甘えない姿を

近くで見てきてるんだよね。


だから、いつも

廉が甘えたり、頼ってる姿を見ると安心するんだと思う。



＊



＊


紫耀にお茶を飲ませてもらったり身体に毛布を掛けてもらったりと

俺にも紫耀にも甘えてくれててその姿に俺も安心する。


廉「っ、うっ」

「気持ち悪い？」

廉(コクコクッ)


少し様子を見てると

息を詰まらせたり、ウッって嗚咽を漏らしてる事に気が付いた。


紫「はい、洗面器。廉、気にせず出しちゃっていいよ」


そう言って背中を摩ってくれてる紫耀。

その動作に安心したのか

ゲホゲホと苦しそうに咳き込みながら戻す廉


俺も声を掛けたりしてあげて

数分で落ち着いたみたい。だけど更にぐったりしちゃった。

11→←9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す