頑張り屋の廉くん23

13 ページ45

紫耀side

一通り説明が終わると岸くんも信じられないみたいで

でも廉の顔や腕を見て、信じた様子…


岸「マジか、、ここ最近家でも全然会ってなかったしな…」

「うん、1人で抱えてしんどくなってたんだと思う」


海人が怪我をした日から、廉とは

ホント意地悪されてるんじゃないかと思うくらい

仕事でも家でも会わなかったから…。


岸「ごめんな、1人でしんどかったよな、苦しかったよな」

「岸くん…」

岸「とりあえず、起きたら話聞こう」

「うん。だね」



＊



岸くんと廉の寝顔を見守ってる事約10分


廉「んっ…はぁっ、」

「廉、おはよう。しんどいね」


起きてそうそうに過呼吸を起こして

でも俺と岸くんが居る事にまだ気づいてない様子の廉。


廉「はぁはぁっ…ごめ、さいっ、海人…俺の、所為でっ、」

岸「え？ちょ、廉？」


そして、廉は自分のポケットからカッターを取り出していて

カチカチと刃を出して…


「ダメッ！」

廉「っ…はぁっ、はぁっ…しょ、」


刃を手首に当てた瞬間に、そう言って

廉の手からカッターと抜き取って、刃を仕舞って

遠くにポンと投げ飛ばした。


「ダメだよ、自分の事傷つけちゃっ、」


今露になって分かるけど

廉の右手には何本ものリスカの痕。


こんなに苦しんでたんだ、、


廉「っ…ヒック…うぅ…しょ、しんどいっ、もう…俺、しんどいっ、」

「うん、しんどいね、ごめんね。気づいてあげれなくて」

岸「すぐに助けてやれなくてごめんな…」


岸くんも、俺と廉を包み込むように

抱きしめてくれて、そう言ってる声が震えてた。


廉「っ…うわぁぁぁんっ…しょっ、優太っ、」


そして、廉は我慢の限界…しんどさの限界を

やっと今、この瞬間自覚したんだと思う。


糸が切れたように、俺と岸くんに

しがみつくように…助けを求めるように

ぎゅっと抱き付いて小さい子供のように泣きじゃくった。


岸「大丈夫。もう俺らが居るから。廉の事、助けてやっから」


それから、廉の体調を考慮して

スタッフさん達に言ったら、延期にしてくださることに


「本当にありがとうございます」

ス「いいんだよ。永瀬さんには気にしないで、ゆっくり休んでって伝えて」


なんて温かい言葉まで頂いて

胸がポカポカしたまま楽屋に戻った


「廉！」


でも、楽屋に戻れば廉は過呼吸を起こしながら

岸くんに背中を摩ってもらいながらえずいてた＿＿＿。

14→←12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す