頑張り屋の廉くん22

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廉side

「ありがとう」


それから、10分くらいして他のメンバーも

ぞろぞろと楽屋に集まってきた。


岸「うーっす」

海「やっほー」

神「おつかれー」

玄「おつ〜」

紫「おー、お疲れ様」


みんな集まってきて

そう挨拶を交わした後、じんが先陣を

切るかのように俺に声を掛けた。


神「病院はどうだった？」

「あー…おん、『難聴』って診断受けて…」


そう言いながら、俺は両耳から

補聴器を取り出して、自分の手のひらに乗っけて

皆に見せるようにした。


「これから、これ付けて生活してかなあかんみたい」

海「嘘…」

岸「まじか…」


海人と岸さんはそう言って

じんと玄樹は言葉が出えへんのか

黙ったままで俺の補聴器を見つめてた。


「ごめんな…こんな耳になってもうて…」

「「え？」」

「ホンマごめん。心因性難聴とかやったら、治るかもしれへんのに…難聴や何てさ…治る見込みないやんっ、」


自分で言って、更に情けなくて

溜まらんくなってもうた。


こんな事思ったらあかんのやろうけどさ

せめて治る難聴やったら良かったなぁって、


補聴器渡されるってことは

俺の右耳は一生、これがないと音を拾う事は

なくて…いつか左耳も完全に聞こえんくなって…


最悪の場合、補聴器を付けても聞こえんくなるかもしれん。


そんな恐怖がずっと、先生から

難聴だよ。と言われた瞬間から頭から

離れんくて…泣きそうで、叫びたくてたまらんかった。


けど、冷静を保ってへんと

俺が俺でいられんくなりそうやから


紫耀たちに迷惑かけへんように

ただそれだけを考えて何とか俺自身を保ってた。


紫「れん…」

「こんな奴、グループにおったらさ…紫「廉」

「っ…」


俺の言葉をいつになく低く

真剣な声で紫耀が遮った。


紫「それ以上は言ったらだめだ」

「っ…でもっ！」

紫「絶対そんな事無いから。前にも何回も俺ら、廉に伝えたよな？廉は俺らの大事なメンバーだって。誰か一人でも欠けたらキンプリじゃないって。悲しい事は6等分。嬉しいっていう感情は6倍だよって。覚えてない？」

「っ…覚えてる、けどっ、」

紫「なら、そこ言葉を信じて？大丈夫。俺らは絶対廉の事、見捨てない」

海「そうだよ！廉がいないキンプリなんていやだよ！そんな事言わないで！」


海人も涙目になりながら

必死に俺に訴えかけてくる


岸「そうだぞ！だから、みんなで難聴に立ち向かおうよ。戦おうよ」


そう言われて泣きながら

何度も何度も深く頷いた

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