頑張り屋の廉くん17

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紫耀side

「もう泣かないよ〜、痛いの終わったでしょ？」

海「ヒック…グスッ…」


点滴が終わってもなお泣き続けてる

海人をあやしてると、なにやら廊下が騒がしい。


まぁ病院だしな、とか思いながら

特に気にせずに居たら、いきなり部屋のドアが

ガラッと開いて顔なじみの看護師さんが来てくれて…


看「紫耀くん、廉くんが倒れた！」

「え！？廉が！？」


開けた瞬間そう言われた


看「廊下で真っ赤な顔して倒れてるのを他のスタッフが見つけてくれて…海人くんが診察したお部屋で先生が診てくれてるから。海人くんは私が看てるから行ってあげて？」

「っ、はい、お願いします！」


泣いてる海人を看護師さんに任せるのは

申し訳ないけど、でも今は廉だ。


そう思ってせっきまで居た診察室に戻れば

苦しそうに戻してる廉の姿と、廉の小さな

背中を摩ってくれる先生の姿が…


「廉！」

廉「げほげほっ、はぁっ…はぁっ…っ、げほっ」

先「しんどいね、大丈夫だからね」


すぐ様、廉の元に駆け寄って

先生と場所を交代して背中を摩ってあげれば


海人と同じくらい、いや海人以上に

熱い背中にびっくりした。


＊


それから20分経って廉の吐き気が治まって


廉「はぁ、はぁっ…けほっ、」

先「しんどいね、ここにゴロンしよっか」

廉「ん…はぁ、っ…」


ベットに横になったまま診察をしてくれた


先「うん、胃腸炎で間違えないね」

「え、胃腸炎…？」

先「うん、中等症だからかなり我慢してたんじゃないかな？」


我慢…

その先生の言葉を聞いて昨日の事が一気に

蘇った。


そうだ、俺…

廉にいっぱい我慢させてた。


幼稚園から帰る時、俺に何か言おうとしてたのに

海人の方ばかり気を取られてすぐ聞いてやれなくて…


聞いたころには何でもない。忘れたってそう言って

いつもと違う笑顔だったのに、俺は…


それに家でもそうだった…

トイレに入ってた時、多分お腹痛かったんだよね。


なのに長く入ってないよって我慢して…

お風呂も…ご飯だって…


俺、昨日から廉に我慢ばっかさせて…

廉だってしんどい思いしてたのに


ちょっと違うなって、後で構ってあげればいいっかって

その2言で片づけて…何一つ気にかけてやれてなかった。


「ごめんね、廉。にぃ、廉にしんどいの沢山我慢させてたね」


俺がそう言って頭を撫でれば糸が切れたように

わんわん泣いて俺に抱っこを求めてきた。


もっと早くこう言って、こうしてあげるべきだったね

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