頑張り屋の廉くん14

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廉side

衣装から私服に着替えて

カバンを持って、ゆっくりと

歩いて、マネさんの待つ車へと向かった。


「遅なってすいません…」

マネ「全然って…大丈夫か？顔色良くないけど」

「え？全然、大丈夫っすよ」


そう言えば、無理すんなよ。

とだけ言って車が発進した。


全然、大丈夫なわけない。

歩くたび、車が揺れるたびに

泣きそうになるくらい、叫びそうに

なるくらいの激痛に襲われて


けど、メンバーに言ったらあかんってことは

マネさんにも助けを求めてはいけないことなわけで…


1人で痛みに耐えることしか出来んかった＿＿。



マネ「着いたぞ。大丈夫か？」

「はい、行ってきます！」


まだまだ、仕事はあるわけで…

マネさんを少しでも安心させたくて

今出来る精一杯の笑顔を張り付けて

車を降りた。


「はぁっ…いっ…うそ…」


何とか楽屋に辿り着いて

衣装に着替えるために服を脱げば

あらわになる、体に出来た無数の

赤黒い痣や傷。


もう時期的には冬やから

脱いで撮影とかないだけ助かったけど…


でも、万が一服が捲れて

バレてしもうたら？


そんな事を考えると恐ろしくてたまらない。


とりあえず、いつスタッフさんがドアを

開けるか分からんから。そう思って

衣装を着て、痛みが落ち着くように

そう思ってソファーに座った。



それからスタッフさんに呼ばれて

写真撮影をこなして、1時間後仕事が終わって


またまたマネさんの車に乗り込んで

次の現場に…


マネ「次は、グループでの撮影だな」

「ぇ、分かりました」


グループでの撮影か…

いつもやったら嬉しいけど


今は、そんな事を思う前に

どうやって傷がバレんように

着替えよう。そんな事しか考えられんかった。



あっという間に現場について

車を降りて楽屋に入れば俺が一番最後やったんか


岸「お疲れ〜」

紫「お疲れ様」

海「おつです！」

玄「お疲れ」

神「お疲れ様」


とみんな声を掛けてくれる。


「おん、お疲れ」


俺も普通に

言葉を返して、いつも通りソファーに座って

スマホを弄ってると


衣装さんが声を掛けてくださって

みんなで着替えをする。


どうしよ…

ここにおったら、絶対にバレる。

けど、どこか別部屋で着替えたら怪しまれるし…。


そんなことを考えてる間に、俺以外のメンバーは

着替えが終わったみたい。


海「廉、着替えないと」

「お、おん。あ、ちょっとズボン緩そうやから変えてくる！」


そう言って楽屋を出た。

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