頑張り屋の廉くん14

9 ページ24

廉side

正直、色々限界やった。

殴る、蹴る、叩く、ライターを体に

押し当てられて火傷が出来たり……

その他にも、言葉のいじめ。


もう、嫌や

生きてたって何も意味ない。

そう思ってコンビニで購入した

カッターを手に取って、何も考えずに

手首に押し当てて、何回も切った。


その内、意識が朦朧として

冷たいアスファルトに倒れて

そのまま意識を手放した＿＿。



そんな俺を、紫耀は助けてくれようとしとる。

俺が弱っちい、役立たず、生きてる意味ない。

そう言っても、全部反対の言葉で教えてくれる。


そんな紫耀に安心して、俺は泣いた。

ホンマ沢山の涙を流した。


紫「落ち着いた？」

「んっ…ヒック…」


心が落ち着いて、涙も引っ込んできた頃…

紫耀の優しい声が聞こえて、返事をした


紫「良かった。ゆっくりでいいから、話せる範囲で構わないから教えてほしいな」


また優しくそう言うから

俺は安心して全部、紫耀に打ち明けた。


約2か月前、突然始まった

スタッフさんによるいじめ。


ホンマ体中痛くて…

心もボロボロで、もう嫌になったこと。


全て話終わるころにはまた涙が出ていて

紫耀の胸の中で泣いてた。


紫「ごめんな、廉…2か月も気づかないで…俺ら一緒に住んでるのにさ…ほんとにごめんな」


俺の話が終わったら

紫耀がそう言って謝ってきたけど

紫耀は悪ないやん。


隠してたんは俺なんやから…

そう思ってそう言葉にすれば、廉は悪くない。

そう言ってくれた紫耀。


「ヒック…あり、がと…」

紫「うん、もう廉安心していいからな」

「え？」

紫「もうスタッフさんに会う必要ないから」


その言葉の意味をなんとなく理解した途端

得体のしれない恐怖に襲われた


そうや、俺…

メンバーに言ったらあかんかったのに…。


普通に、紫耀に話してもうてる…。


紫「廉？」

「あかんっ…紫耀、何とかしようとせんでええし、この話は忘れて」

紫「は？」


俺がそう言うと、呆れたような声でそういった


「これ、言うたらあかんのっ…言ったら、紫耀たちが…紫『廉！』

紫「そんな事言われてたの？でも、いいの。俺もう決めたから。廉を助けるって。だからほんとに大丈夫。余計な事考えずに廉は、怪我、治すことだけ考えよ？」


そう言われて、さっきまでの恐怖が

一気になくなって、素直に頷けた


紫「うん、今日はもう寝よっか。」


そう言いながら俺の背中をトントンしてくれて

そのまま眠りに落ちた＿＿。

10→←8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す