10 ページ47
廉side
紫耀の戻してる音を聞いて、更に呼吸が苦しなって
動悸がして、目眩がして耐えられず俺は意識を飛ばした。
どれくらい眠ってたんか分からんけど
目を覚ますと海人が居って
未だに落ち着いてない呼吸を落ち着かせてくれた。
海「良かった。廉、吐き気はどう？」
廉「はぁ…少し、楽なってる…」
少し寝とったんが良かったんか
さっきほど強くなくて、我慢できるくらいになった。
海「なら良かった。ねぇ廉、俺ほんとはさ」
廉「うん」
海「廉から言ってくれるまで待つつもりだったんだけど、聞いていい？」
廉「っ…」
聞いていい？っていうんは俺が倒れた理由とか
過呼吸を起こした理由やんな。
海「いや、言いたくなかったり、いう事がしんどいなら言わなくていいの。ごめん、今のやっぱ忘れて…？」
廉「…嘔吐」
海「へ？」
廉「嘔吐恐怖症やねん、俺」
海人の優しさのお陰でホンマは
もう少し前に話さなきゃあかんかったことを
今日まで言わんで来れたんやもん。
それにあんなところ見られて、隠し通せる自信。
俺がないから…
それに海人やったら受け止めてくれる気がするから
そう思ったら自然とそう言ってた。
廉「小さい頃に、熱と自家中毒一緒に出してもうて…気持ち悪くて戻してもうたんよ俺」
海「うん」
廉「で、母さんが来て処理してくれて、そのまま寝てんけど。夢か現実か分からんけど『汚い。どうして私が片付けしなきゃならないの？』って…はぁっ…そんな声が聞こえて、父さんもっ…はぁ…仕方ないだろって…はぁはぁっ」
海「廉！分かった、十分伝わったから、ごめんね？しんどいこと思い出させて、話させて」
やっぱりあの時の事を話すと
ダメやな、俺。
海人に抱きしめられて、腕の中で体が震えて
心臓はドクドク言うて、呼吸が苦しい。
廉「はぁはぁっ…かい、くるしっ…はぁっ」
海「苦しいね。大丈夫だからね、俺居るから。深呼吸しよ」
そう言ってさっきと同じ優しい声のトーンで
俺の背中を摩ってくれる海人。
廉「はぁ…はぁっ…けほっ」
それから少しして海人のお陰でなんとか
症状が治まった。
初めてやった、薬飲まんで落ち着いたの。
海「お疲れ様。廉、今日はもう寝ちゃお。話しの続きは明日。ね？」
廉「ん…ありがと…」
海人に背中をトントンされて
俺は一瞬で夢の世界に向かっていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 324人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
#Rose(プロフ) - 黒瀬優花さん» はい！こちらこそ♪ (2020年11月13日 21時) (
レス) id: 5074e88588 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬優花(プロフ) - #Roseさん» はじめまして。コメントありがとうございます。そうなんですね、私の作品で安心してくださると言ってくださりありがとうございます。こちらこそ、お読みいただきありがとうございました(^^) (2020年11月13日 21時) (レス) id: b90b4ec0c7 (このIDを非表示/違反報告)
#Rose(プロフ) - コメント失礼します。私も実は嘔吐恐怖症なので廉くんと共感することができて嬉しかったです笑 あと、自分が廉くんになった気持ちで海ちゃんに慰めてもらえていたのでなんだか読んでいて安心しました…ありがとうございます泣 (2020年11月13日 20時) (レス) id: 5074e88588 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬優花(プロフ) - 音さん» そうなんですね！じぐいわいいですよね(^^)♪ (2020年11月3日 16時) (レス) id: b90b4ec0c7 (このIDを非表示/違反報告)
音 - 黒瀬優花さん» じぐいわーるどは誰も入れない魔法の世界です(笑) (2020年11月3日 16時) (レス) id: 705d2458c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒瀬優花
| 作成日時：2020年10月22日 17時
