十話 ページ10
だらしなく笑う仲間たちは、クレーンゲームで景品を取ろうと試行錯誤していた。
それを後ろで眺める俺に、その仲間の一人が振り返って俺に手伝うよう言ってきた。
もともとクレーンゲームとかは得意な俺は、すぐに変わりたった１００円でその景品を落とす。
下品な笑いが響き、その景品を狙っていた仲間が、取り出し口からぬいぐるみらしきものを引っ掴んで取り出した。
そして他のクレーンゲームを物色し始める仲間を見ていると、ゲーセンの入り口から誰かが入って来た。
仲間たちも入り口をみると、おおと歓声を上げた。
「あれってさあ、隣町の高校の不良だぜ。ここらじゃ有名だよな」
裾の長い学ランにボンタン。がに股歩きのリーダーらしき奴が此方に近付いてきた。
仲間がにやにや笑い、俺の横に並んだ。
「てめぇが、松野おそ松だな？」
あははと笑う声が響き、俺は眉を顰めた。
人違いだ、と言うと、そいつは俺に近付き、下から睨みつけてくる。
…典型的な不良だな、と俺は溜息を吐いた。
人違いだと分かれば帰ると思えば、そいつは帰らず、なんと憂さ晴らしをするなんて言い始めた。
「いやあ、アンタらも馬鹿だねぇ。こいつに手出ししない方がいいぜ？」
「下っ端は黙ってろや！」
アンタも下っ端だろ、仲間が呟く。
俺はまた溜息を吐くと、リーダーが此方に詰め寄って来た。
急に繰り出された拳が頬を掠めた。パシンと音がして、頬から血が流れる。
店の店員が困ったように慌ただしくする中、来ていた他の高校の奴らが集まってくる。
リーダーは後ろに下がり、口角を上げながら煽る相手。
俺は首を捻り、骨のずれる音を鳴らした。
風を切って脚を振り上げる。咄嗟のことに反応出来なかったリーダーが、唾を飛ばしながら後ろに吹っ飛ぶ。
仲間が「相も変わらず、脚癖が悪いねぇ」とからかってくる。
「てっ、めぇ…！」
心配そうに駆け寄る部下を跳ね飛ばし、リーダーは走りながら突っ込んで来た。
ばーか。口パクでそう言った俺は、飛んできた拳を躱して、その無防備になった腹に膝をめり込ませた。
身体をくの字に曲げて苦しむリーダーを、俺は力の出る限り蹴り飛ばしてやった。
ぎゃあと短い悲鳴が響くと、下っ端たちは恐れをなして逃げ出す。
リーダーに「まだやるか？」と尋ねると、首を振って慌てて走って行った。
辺りに歓声が響き渡った。
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ルアルア(プロフ) - アイカさん» コメントありがとうございます! 一松ってチョロ松の言った通りジョーカー的存在として根強く私の中にいるので、そんな感じにしたくなりますｷﾘｯ コメント嬉しいです! ありがとうございます! (2016年10月17日 18時) (
レス) id: 013413cedf (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - う、うおおおお……！一松はほかの兄弟に真相を話すのか、話さないのか……楽しみです！コメ失礼しました！ (2016年10月15日 23時) (レス) id: a128eaf6e8 (このIDを非表示/違反報告)
ルアルア(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます! 私自身主人公が荒くれてる系が好きで、何故か作品にも影響が…(( これからも頑張ります!! ありがとうございます! (2016年10月10日 18時) (レス) id: 013413cedf (このIDを非表示/違反報告)
ルアルア(プロフ) - ちーさん» コメントありがとうございます! そう言って貰えるととても嬉しいです!! 更新がとても不定期ですが、これからも頑張って参ります(真顔) (2016年10月10日 17時) (レス) id: 013413cedf (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - すっごく好きです、こういうの！続き楽しみです！ (2016年10月9日 22時) (レス) id: 7fd415952d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルアルア | 作成日時：2016年8月29日 19時
