検索窓
今日:28 hit、昨日:5 hit、合計:17,753 hit

だから、そこじゃなくてだな… ページ43

「もう…びっくりした…」

「手よりもこの方が早く塞げると思ったんでなァ〜。感謝しろよ?声上げたら起きちまうからな」

「はあ…それはどうもありがとう」

言いながらクルルの頬をむにむにと触る。

「にょ〜〜…………っと…寝ちまうとこだった…。
そんじゃ、ぼちぼち帰るとするか」

「あ、待って」

「クル?」

Aは、帰ろうとしたクルルに自分の体を寄せてぎゅっと抱きしめた。

「!」

「……ん。今日の分、充電できた。
またね…」

クルルを抱きしめたままの状態で、クルルのヘッドフォンに音がしないよう軽く口付けた。

ヘッドフォンに口付けられたときに感じた振動はクルルに伝わっており、Aに口付けられたことは分かっているはずだが、特に何も言わずじっとAを見上げるクルル。

「ん…?」

視線に気付いたAは、クルルの目を見つめた。

「………」

「しょうがないなぁ…」

Aは、今度は限りなく唇に近いところに口付けると「ここもダメ?」と言った。

「……さあなァ」

Aから視線を外したクルルに、Aはゆっくり顔を近付ける。

「な、なんだよ」

「ふふ。
じゃあ、こっち」

そして軽く、唇に口付けを贈った。

「チッ…仕方ねェから帰ってやるよ」

頬を赤くしたクルルに微笑みかけて「また後で」と言うA。

「ああ」

次の瞬間、クルルは小型の瞬間移動装置のボタンを押して自室に帰っていった。


「なるほど。瞬間移動ね…。
やっぱりクルルに約束は無意味だったよね…」と、心の中で呟いて、Aは再び眠るのだった。




一方。
自分の部屋の布団に戻ったクルルの頭の中。

「はあ。
あいつ、たまに小悪魔ちっくになるよな…」

何だか軽く弄ばれているような気もしてくるが、Aがあんな風になるのは、クルルの前だけであることをちゃんと分かっているので、悪い気はしない。

「あいつを攻めんのも、あいつに攻められんのも、嫌いじゃねェんだよな〜」

クルルは自分の頭の中で考えていても「好き」という言葉はなかなか使わない。

それは何故なんですか?

「あー?
久々に話しかけてきたと思ったら、人の頭ン中まで入ってくんなっつーの」

だって、気になったんですもん。

「何が“ですもん”だよ…」

そんなに「好き」って言いたくないんですか?

「うるせぇなァ…インタビュアー気取ってっと、痛い目見るぜェ?」

はっ!!またヘッドフォンからアンテナ…!!
ででででは、私はこれにて…!!

「はあ。俺も寝よ」

雑談→←彼の所業


ラッキーアイテム

ガンプラ

ラッキーケロン

トロロ


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
71人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あおい(葵)(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます。本日は更新しておりますので宜しくお願いします★☆ (2021年8月13日 18時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 毎日投稿お疲れ様です!今日は更新されないようですがゆっくり休まれてください! (2021年8月13日 1時) (レス) id: 870d1da5c2 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(葵)(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、ありがとうございます!お話の先を考えるのに、ちょっとゆっくりペースになってます。すみません…! (2021年8月9日 22時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 毎日更新ありがとうございます。お疲れ様です! (2021年8月9日 0時) (レス) id: 870d1da5c2 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(葵)(プロフ) - ありがとうございます!クルル人気ですね(*´>ω<`*) (2021年8月2日 20時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年7月28日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。