だから、そこじゃなくてだな… ページ43
「もう…びっくりした…」
「手よりもこの方が早く塞げると思ったんでなァ〜。感謝しろよ?声上げたら起きちまうからな」
「はあ…それはどうもありがとう」
言いながらクルルの頬をむにむにと触る。
「にょ〜〜…………っと…寝ちまうとこだった…。
そんじゃ、ぼちぼち帰るとするか」
「あ、待って」
「クル?」
Aは、帰ろうとしたクルルに自分の体を寄せてぎゅっと抱きしめた。
「!」
「……ん。今日の分、充電できた。
またね…」
クルルを抱きしめたままの状態で、クルルのヘッドフォンに音がしないよう軽く口付けた。
ヘッドフォンに口付けられたときに感じた振動はクルルに伝わっており、Aに口付けられたことは分かっているはずだが、特に何も言わずじっとAを見上げるクルル。
「ん…?」
視線に気付いたAは、クルルの目を見つめた。
「………」
「しょうがないなぁ…」
Aは、今度は限りなく唇に近いところに口付けると「ここもダメ?」と言った。
「……さあなァ」
Aから視線を外したクルルに、Aはゆっくり顔を近付ける。
「な、なんだよ」
「ふふ。
じゃあ、こっち」
そして軽く、唇に口付けを贈った。
「チッ…仕方ねェから帰ってやるよ」
頬を赤くしたクルルに微笑みかけて「また後で」と言うA。
「ああ」
次の瞬間、クルルは小型の瞬間移動装置のボタンを押して自室に帰っていった。
「なるほど。瞬間移動ね…。
やっぱりクルルに約束は無意味だったよね…」と、心の中で呟いて、Aは再び眠るのだった。
★
一方。
自分の部屋の布団に戻ったクルルの頭の中。
「はあ。
あいつ、たまに小悪魔ちっくになるよな…」
何だか軽く弄ばれているような気もしてくるが、Aがあんな風になるのは、クルルの前だけであることをちゃんと分かっているので、悪い気はしない。
「あいつを攻めんのも、あいつに攻められんのも、嫌いじゃねェんだよな〜」
クルルは自分の頭の中で考えていても「好き」という言葉はなかなか使わない。
それは何故なんですか?
「あー?
久々に話しかけてきたと思ったら、人の頭ン中まで入ってくんなっつーの」
だって、気になったんですもん。
「何が“ですもん”だよ…」
そんなに「好き」って言いたくないんですか?
「うるせぇなァ…インタビュアー気取ってっと、痛い目見るぜェ?」
はっ!!またヘッドフォンからアンテナ…!!
ででででは、私はこれにて…!!
「はあ。俺も寝よ」
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あおい(葵)(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます。本日は更新しておりますので宜しくお願いします★☆ (2021年8月13日 18時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 毎日投稿お疲れ様です!今日は更新されないようですがゆっくり休まれてください! (2021年8月13日 1時) (レス) id: 870d1da5c2 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(葵)(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、ありがとうございます!お話の先を考えるのに、ちょっとゆっくりペースになってます。すみません…! (2021年8月9日 22時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 毎日更新ありがとうございます。お疲れ様です! (2021年8月9日 0時) (レス) id: 870d1da5c2 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(葵)(プロフ) - ありがとうございます!クルル人気ですね(*´>ω<`*) (2021年8月2日 20時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2021年7月28日 19時