君のそばに ページ38
「よく撮れてるね」
「俺様の腕がいいからな」
「カメラの質がいいんじゃないの?」
「質がよくても、撮影者次第でクオリティは高くも低くもなるもんなんだよ」
ちなみに、クルルが使っているカメラは現在、最高水準の一眼レフカメラである。
「で?他にも話があるんじゃねぇの?
二人きりのときに話すことが」
「…クルルも何かあるんじゃないの?」
「俺が先でいいワケ?」
ぐっと顔を近付けるクルルに、Aは「別にいいよ?」と返す。
「んじゃ、遠慮なく」
カメラを机の上に置くと、Aの方を向いて手を伸ばし、強く抱きしめた。
おかげでAは身動きが取れなくなってしまう。
「ちょ…何で急に…っ」
Aはクルルから体を離そうとしたが、がっちりとホールドされているので動けなかった。
「話すよりもこうして教えた方が早いと思ってな」
言いながらクルルは、片腕でAを抱きしめ、もう片方の手で顎をとり、自分の方に顔を向けさせた。
「今日、岩場で、いつもより気分が開放的になってるって言ってたよな?」
「…うん」
「なのに、何でここに来た?
先輩たちは隣にいることくらい分かってるはずだろ。人目につく廊下ならともかく、こんな密室で俺と二人きりになっていいのかよ」
「それは…」
「俺に何されても文句は言わせねぇぜ…?」
クルルがAに顔を近付けたとき、隣の部屋から「静かにしないと追い出すわよ!!」という夏美の声が聞こえてきて、その動きは止まった。
「チッ。
ここじゃムードもへったくれもねぇな」
気が変わったらしいクルルは、Aから離れた。すると、Aはじっとクルルの目を見つめる。
「何だよ。
おあずけくらったのが嫌だったか?」
Aは何も言わず、クルルの頬に手を伸ばし、そっと頬に口付けた。
「…どうせならおやすみの挨拶、したかったし?
ここに泊まる間は無理だと思ってたけど…」
少し恥ずかしそうにそっぽを向くAを、クルルはジトッとした目で見つめた。
「おやすみって…色気ねぇなあ…」
「悪かったわね
……じゃあ、こっちならどう?」
「え」
クルルがAに手を伸ばすより早く、Aがクルルの頬に手を伸ばし、今度は唇に口付けた。
「っ……」
まさか、唇にも口付けを贈られるとは思いもしなかったクルル。内心「言ってみるもんだな」と思っていたが、今のやりとりでAを抱きしめていた腕の力が抜けてしまったため、Aはするりと離れていってしまった。
ラッキーアイテム
ガンプラ
ラッキーケロン
トロロ
71人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あおい(葵)(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます。本日は更新しておりますので宜しくお願いします★☆ (2021年8月13日 18時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 毎日投稿お疲れ様です!今日は更新されないようですがゆっくり休まれてください! (2021年8月13日 1時) (レス) id: 870d1da5c2 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(葵)(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、ありがとうございます!お話の先を考えるのに、ちょっとゆっくりペースになってます。すみません…! (2021年8月9日 22時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 毎日更新ありがとうございます。お疲れ様です! (2021年8月9日 0時) (レス) id: 870d1da5c2 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(葵)(プロフ) - ありがとうございます!クルル人気ですね(*´>ω<`*) (2021年8月2日 20時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葵 | 作成日時:2021年7月28日 19時