ふたり ページ23
「みんなのとこに戻ろ?」
Aがクルルに腕を絡めたまま、見上げてくる。
必然的に上目遣いになるAを間近に見たクルルは「まだ時間あるだろ。少しあっちの方行ってみねぇ?」と、言って岩場の方を指さした。
「そういえば、あっちの方は行ったことないかも。じゃあ、行ってみよっか」
「おう」
仲良く腕を組んだまま岩場を目指す。
今までの様子から、二人が付き合っていないとは思えないかもしれないが、そもそも付き合う
という概念はケロン人側にあるのか。
しかし、端から見たら仲の良いカップルに見えるため、二人に声をかけてくる者はいなかった――。
★☆
「この辺りは人いないね。
それにちょっとひんやりしてるかも」
「だな。そんじゃ」
Aが絡めている腕から自分の腕を離すと、少し残念そうな表情になったAだが、クルルはすぐに彼女の腰辺りに手をやり引き寄せた。
「わっ…」
「この方がいいだろ」
たしかに、腕を組んでいるよりもこうしている方がクルルの体温をより感じられてあたたかい。
「うん…そうだね」
「よし、その辺に座るか。
足取られないように気ぃつけろよ?」
「クルルもね」と、言いながら適当な岩場に腰を下ろした。クルルは腕をAの腰にまわしたままである。
「岩に熱がこもっててあったかいなあ。
でも、やっぱり空気は少しひんやりしてるかな。風も出てきたし」
夏真っ盛りだというのに、日が傾き始めたことにより、徐々に空気が冷えてきたようである。
風も吹き始めたので尚更だ。
Aはクルルの肩にもたれかかり、目を閉じた。
「眠いのか?」
「ん…ちょっと眠くなってきちゃった」
人の気配がなく、落ち着いた雰囲気のせいだろうか。それとも、クルルの体温を感じていることで、安心しているためだろうか。
早朝に家を出て熱海までやってきて、大繁盛となった海の家を手伝っていたこともあり、眠気がやってきたらしい。
「眠いなら戻るか?」
「ううん。そこまで眠くないから大丈夫」
Aはクルルの肩にもたれかかったまま、動こうとはしなかった。
この状態が心地よく、まだ離れたくないらしい。
「そうか。
でも、ホントに寝たくなったら言えよ?
仕方ねぇから、おぶってでも連れ帰ってやる」
「ありがとう」
顔を上げてお礼を言うAの方を見られず、クルルはそっぽを向いた。
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あおい(葵)(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます。本日は更新しておりますので宜しくお願いします★☆ (2021年8月13日 18時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 毎日投稿お疲れ様です!今日は更新されないようですがゆっくり休まれてください! (2021年8月13日 1時) (レス) id: 870d1da5c2 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(葵)(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、ありがとうございます!お話の先を考えるのに、ちょっとゆっくりペースになってます。すみません…! (2021年8月9日 22時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 毎日更新ありがとうございます。お疲れ様です! (2021年8月9日 0時) (レス) id: 870d1da5c2 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(葵)(プロフ) - ありがとうございます!クルル人気ですね(*´>ω<`*) (2021年8月2日 20時) (レス) id: 66ac60b139 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2021年7月28日 19時