だから、何？

治 ページ10

治くんは、侑くんとは違って私の味方。


いわば、ヒーローみたいな。


補助輪無しの自転車に乗って、盛大に転けた時は真っ先におんぶして助けてくれた。

性格は侑くんよりイケメン。


たまにネジ外れるけど。


「A、寝るで」

『寝やんで。帰って』


いきなり部屋きて寝ようとして来る。

断っても無意味なのはずっと前に思い知らされた。


しかもお風呂場にも遠慮なく入って来るから焦る。

それは侑くんもやけど。


「ほんまAはほっそいなぁ。食べとる？」

『治くんは食べすぎやで』

「ええ匂いする」

『同じシャンプー使っとるよ』

「ツムがおらんで静かやわ」

『私はあんたのせいで落ち着かんねんけどそこはスルー？』


シングルベッドに加えて、180センチある大男と寝るには狭すぎる。

やから、いつも治くんの上に乗っかるように寝る。

ここだけの話、治くんの腕枕は最高。


「Aは好きな人おらんの？」

『おらんよ。治くんは？』

「俺はAで十分」

『そりゃええことで』

「好きな異性のタイプは？」

『う〜ん、あんまよお分からんわ』

「そっか。それでええよ。そのまま俺しか知らん子に育つんやで」

『寒気する離れて』

「無理」


侑くんより重いかも。


侑「サァム！またAの部屋で寝とったんか！」

「Aはツムより俺が好きらしいからな」

『言うてへん』

侑「今日は俺が寝る！」

「彼女と電話する言うて俺のこと追い出すくせに」

『そうなん？治くん災難やな』


朝から双子の喧嘩を横目に見ながら学校の準備をする。


『侑くんも治くんも、時間大丈夫なん？』

「やば！行くわ！！」

「置いてくなやサム！！」


騒がしい双子が行くと、一気に静かになるリビング。


『ふぁあ〜ねむ』


さて、私も行きますか。

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