だから、何？

震動 ページ48

紗「そーゆー事なんで。すんません。失礼します」


紗依ちゃんは私の手を取ると教室を足早に出た。

昇降口まで着くと、紗依ちゃんの手は離れて、ふぅーっと息を吐く。


『紗依ちゃんがあぁ言ってくれへんかったら、完全に押されとったわ』

「絶対入りたい思てへんだやろ？あかんで流されたら」

『ごもっともやわ。そんな分かりやすかった？』

「うん。まぁおかげで逃げれたわけやし」

『ありがとうほんま』


紗依ちゃんは人をよく見て動ける子なんやな。

先輩相手にはっきり物言えるのも感心する。

お兄さんもこんな感じなんやろか。


紗依ちゃんは家の方向が違うらしく、正門で別れてバス停までは1人。

帰ったら友達できたって報告しよ。

めっちゃびっくりするやろな。


『ただいま』

侑「おかえり。人見知り発揮して来たか？」

『友達ちゃんとできたし』

侑「ほんま？やるやん」

『北さんの妹。同じクラスの』

侑「は？北さん？」

『北さんが稲荷崎の主将なんやろ？妹の名前は紗依ちゃんって言うねんけど』

侑「おいおいマジかよ」

治「あ、おかえり。ナンパされへんだ？」

『大丈夫』

侑「北さんの妹と同じクラスらしいわ」


治はお茶を吹き出した。汚いでやめてほしい。


治「それほんまか？」

『うん』

治「世間狭すぎるやろ…」

侑「ほんまやで。そういや北さんが妹が受験生って言うとった気するわ」

『それ絶対紗依ちゃんのことやな』


双子は始業式のために家を出て行った。

午後からはやる事ない。いやあんねんけど。

明日は実力テストやから勉強せなあかんのは分かっとる。

でも何を勉強すればええんかわからん時、あるよな。

そういや紗依ちゃんとL◯NE交換してへん！

明日は絶対言う！忘れずに交換しよって言う！

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