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お守り ページ7

５月から始まる地区予選に向けてサッカー部には内緒でAと瑞希とひかりで一人一人にお守りを作った。

皆にバレない様にこそこそと準備をし、そして地区予選の前日の昼食の時間、いつものように皆でくだらない話で盛り上がっている時に瑞希が切り出した。


｢じゃーーーーーん！^^｣


そう言って袋から５人分のお守りを取り出した。


麻也｢え？何これ作ってくれたの？？？｣


ひかり｢そう^^頑張ってこいよ！ってことで^^｣


真司｢やば〜お前らいいとこあんな〜(笑)｣


内田｢すっげー(笑)」


A｢うちらやる〜(^O^)｣


安田｢ほんまミッチェル感激やわ〜！｣


槙野｢なあ･･･ちょっと聞いていい？｣


瑞希｢何？ww｣


槙野｢皆背番号と漢字で名前入ってんのに『マキノ』て何？！wwぜってー俺の手抜いてんだろこれww｣


香川｢ホンマやwww｣


A｢うけるwwバレてんじゃんww｣


瑞希｢気付かないと思ったんだけどなｗｗ」


槙野｢あっさり認めんなてwwなんか辛いww｣


そして帰り際にAは内田の所へ行き『はい^^』とミサンガを差し出した。

｢右手出して^^」

内田が照れているのが分かったが笑いながら袖をめくる内田の右手首にAは結んであげた。

｢照れないの(笑)｣

なんて結びながらAが笑うと｢照れるわ(笑)｣と内田も笑った。

背番号文字の入った手のこんだミサンガ。

１年の時初めてAから貰ったあの時と変わらない嬉しさ。

ただ、あの時よりずっとずっと重みがあるのは、これに乗っけてくれるAの気持ちがあの時より大きくなったからだろうか。


笑顔で｢よし出来た^^｣と笑うAの顔を見てそんな事を思った。


｢サンキュー｣そう言って笑って内田は教室を出て行った。


スポバに付いた『ウッチーfight』と縫われたサッカーボールのお守りには何も触れないでおいた。


"頑張ってきてね、篤人"


そして順調に地区予選を勝ち上がり、東は県大会に駒を進めた。


しかし、A達が応援に駆け付ける前の３回戦で敗れた。


結果は０−１。


授業中に先生から聞いたまさかの敗退結果。


そんな事に興味のない生徒の声に埋もれて小さく『そっか』と呟いた。


なんだか力が抜けて、ぼんやりと黒板を見つめた。

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