八振り ページ9
近侍を変えて私が家に引き籠ってからは、妙な殺人事件は起きなくなった。
切「綺麗とか、言うな……」
『………』
今は、山姥切を近侍にしている。
初期刀の彼は、髭切が来るまで沢山頑張ってくれていた。
髭切と違って微笑んだりする事はないけれど、見え隠れする不器用な優しさのようなものが好きだった。
『……ふふ、切国は今日も可愛いな…。
そういえば、美歌の初期刀は歌仙だったっけなぁ…。
ふふふっ……』
いなくなってしまった美歌の事をぼんやりと考えながら小さく笑うと、全身の血の気が引く感覚がした。
『ﾋｯ…！？な、何…？』
前も幾度となく感じた寒気に似ていて、私は立ち上がって辺りを見回した。
この部屋に幽霊でもいるのだろうか？
此処にそういった話は無い筈なのに…。
『最近は無かった……のに…』
パソコンに視線を戻した時、私は腰を抜かしてしまった。
『何で……何で髭切が近侍になってるの…！？
それに、背景も可笑しくなってるし……こんなの、今まで無かったよね…？』
私が目を離した一瞬の間に、画面にいる筈の山姥切は血塗れの髭切に切り替わっていた。
背景にはそこらじゅうに血が飛び散っていて、障子はボロボロ、庭も酷く荒れていた。
そんな中、髭切は一人不気味にも見える笑みを浮かべている。
『っそうだ、山姥切は…！？』
いきなりの事で頭が追い付かなかったが、先程までそこにいた山姥切は何処に行ったのかと思い、結成を開いた。
……この時、髭切が不満そうな顔をした事に、私は気付かなかった。
『…………え…？』
そこには、髭切以外誰もいなかった。
第一部隊の隊長の場所以外は全て空白。
第二部隊も第三部隊も第四部隊も、全て真っ白になっていて、私は何が起こったのか分からなかった。
『嘘……ここには…髭切しかいないって事…！？』
「主」
壊れてるのかと思って電源を落とそうとすると、髭切の声が聞こえる。
視線を向けると、画面の向こうの彼は血塗れのまま此方に向かって微笑んでいた。
『っ！は、早く消さなきゃ…！』
早くしないと、何か良くない事が起こってしまう気がする……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天蠱 - 始めまして、髭切のを見て凄く面白かったです！リクエストで小烏丸を書いて欲しいです！！ (2018年11月25日 22時) (
レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜 - 吹雪さん» 初めまして！嬉しいコメをどうもありがとうございます！加州バージョン、承りました！近々作らせていただきます！リクありがとうございました！ (2018年1月24日 23時) (レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - はじめまして、とてもドキドキしながら楽しく読ませて頂きました!加州君バージョンもいつか見てみたいです(><) (2018年1月23日 14時) (レス) id: a574532abf (このIDを非表示/違反報告)
紅桜 - 道化師ロキさん» 返信遅れてすみません！この駄作にハマってくれるなんて、嬉しいです！ありがとうございます！！！更新ペース本当に遅いですが、今後も宜しくお願いします！ (2018年1月14日 9時) (レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜 - コココココさん» 返信遅くなってすみません！文才があると言ってもらえるとは…！ありがとうございます！！！更新してなくてごめんなさい(泣) (2018年1月14日 9時) (レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅桜 | 作成日時：2017年12月25日 3時
