りょうすけせんせい

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涼介side


珍しいなぁ…寝付きがいい光くんが泣いちゃうなんて。

いつも泣いちゃうのは圭人くんなんだけどなぁ…

涼「光くん？どうしたどうした…寝れないのかな？」

光「んっ…ふ…っ…う〜〜…っ」

俺を目にした途端に手を伸ばす光くんを、布団から抱き上げる。

他の子達はちゃんと寝られてるみたいだから、とりあえず部屋の隅っこに移動。

涼「よいしょっ…どうしたの？光くん」

床に座って光くんを抱っこすると、弱々しく俺のエプロンを掴む光くん。

光「ふぇっ……グス…ッこわ…っヒック」

嗚咽混じりに、途切れるように光くんは声を出した。

怖い…？

涼「夢、見ちゃったの？」

顔を覗きこんでそう聞けば、光くんはコクコク頷き、俺の胸に顔を埋める。

ちょっと可愛いな、なんて思ったり…

グスグス肩を揺らしながら、光くんは俺のエプロンを濡らしていって。

涼「そっかそっか。怖かったな。ほら、先生抱っこしててあげるから、もう大丈夫だよー？」

光「ヒック…ん、ふぅ…っ」

大丈夫大丈夫、と呟きながら、ポンポンとリズム良く背中を叩く俺。

光くんの目は、段々ととろんとしてきた。

涼「よしよし、寝ちゃいな？大丈夫だから」

まだ少し不安そうだったけど、光くんはゆっくり目を閉じる。

涼「ん、おやすみ。…………ふわぁ〜…」

完全に寝付くまでは背中叩いててあげよ。

そう思ったと同時に、再び俺を襲ってきた睡魔。

あくびを噛み殺しながら手を動かすけど、んんん…眠い。

頭がコックリコックリ動いてるのが自分でも分かってハッとするけど、また意識が遠のいて…その繰り返し。

…と、そのとき。

「…山田先生？おーい」

涼「あっ…加藤先生」

俺の先輩で、小山先生と同期である加藤先生が、俺の顔の前で手を振っていた。

加「さっき手越先生が呼んでたけど…大丈夫？山田先生もおねむ？」

気づけば既に光くんも、完全に夢の中に入っていて。

からかうように、加藤先生がクスッと笑う。

眠気に耐えてるところ見られるとか、はずかし…半目とかになってたりして…

涼「あっいえ…大丈夫ですっ、すぐ行きますね」

加「はーい、無理すんなよー」

加藤先生は片手を上げて、部屋を出ていった。

さてと…行かなきゃか。

俺は、すやすやと寝息をたてる光くんを布団に戻してから、少し遅れて部屋を出た。

……結局そんなに寝れてない…体はまだ、怠いままだった。

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