りょうすけせんせい

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涼介side


…ふいに、ズボンをくいくいっと引っ張られる感覚。

下を見れば、俺のズボンを握りながら俺を見上げてる圭人くんがいて。

涼「ん？どうしたの？お野菜、切れたかなぁ？」

圭「うん！……ね、せんせい、あのね」

んー？と優しく言って、圭人くんの目線に合わせてしゃがみこんだ。

…足の怪我が痛んだけど…決して顔には出さずに笑顔を浮かべる。

圭「せんせぇは、ぼくに、わらってほしい？」

涼「えっ？……もちろん、笑ってほしいよ？」

圭「ぼくがわらったら、せんせい、うれしい？よろこぶ？」

涼「…うん！圭人くんの笑ったお顔見ると、先生すごく嬉しくなるなぁ」

……突然そう聞いてきた圭人くんに、素直に答える俺。

俺の答えにパアっと笑顔を浮かべた圭人くんは、さっきの暗い表情とは全然違くて。

圭「こやませんせいがいったとおりだ…！」

へ…小山先生が…？

そこにきて、なんとなーく理解した。

きっと買い物のときに小山先生が、元気づけるために何か言ったんだろう。

涼介先生は圭人くんが笑ってたら嬉しいと思うよー？、とかね。

圭「けいと、おてつだいたくさんするねっ！おてつだいたくさんして、せんせ、えがおにする！」

にこぉっと笑った圭人くんに、俺も思わずニコニコして…そんな俺の顔を見るなり、圭人くんはさらに嬉しそうに笑う。

涼「ふふっ、ありがとう！じゃあこっち、やってもらおうかな………っ！」

圭人くんの頭を少し撫でてから立ち上がると、襲ってきたのは忘れていた足の痛み。

圭人くんに心を奪われてすっかり忘れてた……

体重をかけて立ち上がったことに少し後悔しながらも、圭人くんの表情が明るくなったことには心底ほっとした。

あとで小山先生にお礼言おっと…

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