JUMP家 〜病系６〜

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光side


今日も、いつものようにICUの前のベンチに腰を掛け、涼介を見つめていた。

もちろん、皆も一緒。

看護師さんが、特殊な服装で何やらいろいろやってたけど、医療知識のない俺らはもちろん分からず。

その姿を、ぼーっと眺めていた。

ICUに入れられてからもう、２週間が経とうとしている。

早く帰ってこい…皆待ってんだよ…

……ピッ……ピッ……

帰ってくるのは、無機質な機械音だけ。

大「涼介…」

……ピッ……ピッ…ピッ…ピッ…

目を覚ましてくれ…！

…ピッ…ピッ…ピッピッ

あれ…？なんだか…いつも聞いてる機械音が、だんだ？早くなってる気が…

ピッピッピッピッ

ピー！ピー！ピー！

今までと違う、警報のような音。

それは…異常を知らせる音だった。

侑「涼介！涼介！！」

裕「涼介！！！」

途端に立ち上がった皆は、ガラスをドンドン叩きながら大声でそう呼ぶ。

看１「涼介君！？先生呼んできて！！」

看２「っはい！」

慌てた様子で、看護師さん達が動き出す。

慧「涼介ぇ…！！！」

圭「涼っ介…っ！」

雄「涼介っおい、涼介！」

少し遅れて、同じく特殊な服装をした宏兄も緊迫感溢れる表情で作業をしている。

いくら医療知識がない俺でも…ヤバイ状況だってことを察した。

光「涼介っっ！！」



涼介side


涼『な…なんでよぉ…』

聞こえない…皆の声…

どれくらい待ったか分からないけど、もう相当長い時間だと思う。

僕の目には、涙がポロポロ溢れていた。

その時。

涼『…何あれ』

遠くに見える…何やら茶色い、扉のようなもの。

真っ白な世界だからか、その扉はやけに目立っていて。

なにもなかったのに、いきなり扉…？

思わず走り出す僕。

走っても全く疲れないし息も上がらないから、なんだか不思議。

近くに来て、その扉がとても大きいことに気がつく。

豪華で、お洒落で、高級そうな…そんなデザイン。

なんの扉…？

…もしかして…この扉から、皆に会えたりして…？

涼『…』

僕は、扉の金色の取っ手に手をかけ…

ゆっくりと、扉を…開けた。

涼『っ…！まぶし…！』

扉の向こうは、光がいっぱい。

まぶしすぎて、何があるのかも分からない。

けど、皆に会えるのなら…と、目をふせながらも１歩足をつけた、その時…

ピー！ピー！ピー！

耳に響くそんな音が、聞こえてきた。

……戻らなきゃ。

何の音かは分からないけど、本能的に僕はそう感じて。

僕は足を１歩戻し扉を閉め、来た道を走って戻っていった。

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