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雄也side
ICUの前に忘れ物をしたことに気づいた俺。
少し気まずいけど、宏兄がいないことを願って戻ってきた。
が、願いもむなしく、宏兄と光が、さっきと同じように立っている。
光「…俺は、信じてるから…あいつらも、本心じゃないよ」
そう残し、光がこっちに向かって歩いてくるのが見えて。
なんとなく顔を会わせづらくて、壁に身を隠した。
何も知らず、光が通りすぎるのが見えてから、ようやく俺も足を進める。
…まだいるのかな。
そう思い、壁から顔だけを覗かせて、さっきまで宏兄たちがいたところに目を向けた。
目に飛び込んだのは…予想していないものだった。
宏「…っ…くっ……」
近くにあった黒い椅子に腰を掛け、涼介を見つめながら…宏兄は、涙を流していた。
宏「っなんで…涼介……っ…皆、待ってんぞ……早く…目を、覚ましてくれよ」
…俺は、宏兄を勘違いしていた。
宏兄は涼介を、信じていないんだって。
なんとも思ってないように目を覚まさないと言う宏兄を。
だけど、違った。
宏兄は、信じたくても信じられないんだ。
俺らは、処置をした訳ではないし知識もない。
でも宏兄は、実際に涼介の治療をして、医療の知識もあって。
理由をはっきりと知っているから、目は覚まさないなんて言ったんだ。
ほんとは、宏兄だって信じたいはずなのに。
そんなこと、受け入れられないはずなのに。
雄「…宏兄……」
いつのまにか足が動いて、口が開いて。
宏「うっ…雄也…？」
泣いている顔を見られたくないのか、俯く宏兄の隣に座った。
雄「…ごめん、宏兄…俺、勘違いしてた……宏兄だって辛いはずなのに…」
そこまで言うと、宏兄はすくっと立ち上がった。
どこか行っちゃうのかな…やっぱ、怒ってたのかな。
そんな考えは、あっさり消えて。
ポンッと肩に置かれた手に、顔を上げる。
そこにはいつもの、ふにゃっとした優しい宏兄の笑顔があった。
宏「もう、いいから。…ほら、早く行かないと、皆待ってるんじゃないの？」
…優しい。優しすぎるんだよ、宏兄は。
雄「…さんきゅ」
そう言って、俺は立ち上がったと同時に。
雄「宏兄も、あんまり溜め込むなよ…？」
宏「…おう」
そんな会話をしてから、歩き出した。
光はこんな宏兄の気持ちにも、気付いてたってことだろうか。
あ…他のやつらの誤解も、後で解いておかなきゃな。
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楠木りずむ(プロフ) - い・ろ・は・すさん» 嬉しいコメントありがとうございます！遅くなってすみません…！再発の続編は…正直少し書くのが難しいです(′;ω;｀)ですが、新しい長編か短編集は作りたいと思っていますので、そちらを楽しんでくれるとありがたいです！ (2018年12月29日 23時) (
レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
い・ろ・は・す - そして、りんごさんのいうように再発で続編を見たいです！活動再開後頑張ってください！図々しくてすみません (2018年12月20日 21時) (レス) id: 6b690ae98e (このIDを非表示/違反報告)
い・ろ・は・す - 楠木りずむさん» この作品大好きです！私も今、受験生です笑楠木りずむさんも受験終わったら小説の更新頑張ってください！ (2018年12月20日 21時) (レス) id: 6b690ae98e (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - りんごさん» すみません！私現在受験生であり、今更新してるお話以外の新作を出すつもりはございません……でも、そう言って頂けて本当に嬉しいです！活動再開したらまた病系短編集書きたいなと思ってるので、その時はよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年8月20日 11時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 再発で続編見たいです (2018年8月20日 8時) (レス) id: 7c5aa7c9e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楠木りずむ
| 作成日時：2016年7月15日 19時
