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雄也side
涼介が処置室から出て来て、ICUに運ばれていった。
俺らは、ガラスの向こう側で眠っている涼介を見ていることしかできなくて。
触れたいのに、話したいのに、
何も出来なかった。
届いてほしくても届かない俺の手は、ガラスにぶつかるだけ。
皆も、おもちゃが欲しくてガラス越しに眺める子供のようにガラスに張り付いている。
表情は全く違うけれども。
宏「…ここからは、涼介の頑張り次第だ」
慧「え？」
宏兄が、後ろからそう呟いた。
宏「このまま目が覚めれば、恐らくもう大丈夫だと思うんだ…ただ…いつ目を覚ますかは、分からない…」
…どういうこと…？
恐らくその気持ちが、顔に出ていたんだろう。
宏兄は、言いづらそうに口を開いた。
宏「…ずっと目を覚まさない可能性も…ある…」
雄「そ、んな…」
なにそれ。
なんだよそれ。
目を覚まさない？このまま？一生？
受け入れられっかよそんなの。
皆が、呆然としたように立ちすくむ。
宏「…とりあえず今日は帰れ。面会は出来ないんだから…な？」
侑「っ…嫌だ。涼介が目覚ますまでここにいる！」
涙目になりながら、侑李が宏兄にいち早く反抗する。
それは、俺らも同じ気持ちで。
涼介が起きたとき、一人にさせたくないし、一番に会いたいから。
…だけど、宏兄の言葉は厳しくて。
宏「そんな…っそんな早く目覚めねぇよ…」
侑「なっ…！」
なんで…そんなこというんだよ。
なんで信じてやらねぇんだよ。
もしかしたら、今けろっとして起き上がってくるかもしれねぇじゃん。
心配かけてごめんねって、笑うかもしれねぇじゃん。
宏「今、治療はしたけど、それでも生きているのがギリギリの状態だ。今日目を覚ます可能性はほとんどない」
淡々とそう言う宏兄。
そんな宏兄にすっげー冷たく見えて、腹が立って。
思わず、宏兄の胸ぐらを掴んだ。
光「雄也！」
雄「…そんなやつだと思わなかった」
自分でも驚くくらい、低い声が出た。
少し睨んでも、宏兄は変わらず俺を見つめたまま、何も言わなくて。
もっとイライラして、乱暴に宏兄から手を離してそのまま足を進めた。
裕「ガッカリだよ」
大「ありえねぇ」
侑「宏兄っ、医者なら助けてよ…っ」
圭「I can't believe you any more.(私はもうあなたを信じられない)」
慧「…ひどい」
後ろから、そんな声と共に足音が聞こえてきた。
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楠木りずむ(プロフ) - い・ろ・は・すさん» 嬉しいコメントありがとうございます！遅くなってすみません…！再発の続編は…正直少し書くのが難しいです(′;ω;｀)ですが、新しい長編か短編集は作りたいと思っていますので、そちらを楽しんでくれるとありがたいです！ (2018年12月29日 23時) (
レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
い・ろ・は・す - そして、りんごさんのいうように再発で続編を見たいです！活動再開後頑張ってください！図々しくてすみません (2018年12月20日 21時) (レス) id: 6b690ae98e (このIDを非表示/違反報告)
い・ろ・は・す - 楠木りずむさん» この作品大好きです！私も今、受験生です笑楠木りずむさんも受験終わったら小説の更新頑張ってください！ (2018年12月20日 21時) (レス) id: 6b690ae98e (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - りんごさん» すみません！私現在受験生であり、今更新してるお話以外の新作を出すつもりはございません……でも、そう言って頂けて本当に嬉しいです！活動再開したらまた病系短編集書きたいなと思ってるので、その時はよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年8月20日 11時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 再発で続編見たいです (2018年8月20日 8時) (レス) id: 7c5aa7c9e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楠木りずむ
| 作成日時：2016年7月15日 19時
