JUMP家 〜病系６〜

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光side


宏「ごめん…ほんとにごめんな…」

寝ている涼介の頭を撫でながら、謝っている宏兄。

光「宏兄…」

宏兄も、責任を感じているんだろう。

兄として、医者として、近くにいながら気付いてやれなかったこと。

もっと処置が遅ければ…本当に生死をさ迷うことになっていたらしい。

慧「大丈夫だって〜。宏兄の処置のおかげで大事に至らなかったんだから」

宏「…光たちが来なかったら…大事に至っていたかもしれないんだぞ…？」

こんな余裕がない宏兄は初めて見たかもしれない。

今までは、宏兄はどんなに辛くても顔に出さないで笑ってたから。

今は、対称的に泣きそうな顔をしている。

光「でも、今回は大丈夫だったんだからさ。次同じ失敗をしなければいいじゃん」

宏「そんな軽く考えられるわけないだろ…」

…なんだろ。

マイナス思考全開の宏兄が、なんだかイライラしてきた。

なんでもっとプラスに考えないかな。

それは慧も同じみたいで。

慧「もうっ！宏兄は恭兵君のことやってたんだからしょうがないでしょ！いつまでうだうだしてんの！」

いつものゆるーい話し方ではない、ハキハキとした喋り方でそう言った。

光「そうだぞ！寝てる涼介に謝っても意味ないだろ！なんで次は頑張らなきゃって気持ちに変えないわけ？」

俺も思わずそういったら、宏兄は黙り込んでしまった。

慧「医者の仕事してたんだからいいの！！前向きに考えてよ！イライラするなぁ」

光「宏兄がそんなんじゃ、恭兵君も自分のせいだって落ち込むだろ！！ムカつくな…」

なおも黙り込む宏兄。

慧と俺は顔を見合わせる。

ちょっと言い過ぎた…？

が、宏兄は俺らの方を見て一言。

宏「そうだな」

ふにゃっと宏兄が笑ったのを見て、俺らもつられて笑う。

多分、宏兄は無理して笑ってるけど。

光「涼介が起きたら、改めて謝ればいいよ」

慧「いいよって言うだろうけどね」

宏「…そうするよ」

どうやら、いつもの調子を取り戻したみたい。

宏兄があんなんじゃ、俺らも任せられないからね。

良かった…

涼「…んぅ……」

そんなとき。

涼介がモゾモゾと動き、やがてゆっくり目を開いた。

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