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涼介side


僕が、少し気持ち悪くなって寝返りをうったとき。

侑李が、涙目になりながら病室から出ていったのが見えた。

どうしたんだろう…なんだか心配…

大「あ…俺、侑李の所行ってくるわ!」

宏「あぁ…頼む」

本当に、どうしたのかな…

そう思っていたとき、ふと頭に違和感を覚えた。

恐る恐る、自分の頭に指を通す。

涼「…っ!」

指に絡まる、僕の髪の毛。

その髪の毛は、手を頭から離しても、絡まったまま。

…30本くらいの髪の毛が、一気に抜けた。

光「涼、介…それ……」

涼「あ…あはは、抜け始めちゃったみたい、だねぇ…」

皆が、僕の手を見たまま固まっている。

ひとり、宏兄は悲しそうに僕に近づき、僕の髪の毛を取ってゴミ箱に捨てた。

髪の毛は枕にもついていたようで、それもはらってくれている。

侑李が病室を出ていった理由を、ようやく理解した。

涼「…そんな悲しい顔しないで…?皆」

雄「涼介…」

圭人兄と裕翔兄は、涙をぐっと堪えていて。

慧兄が、二人を抱き寄せるように肩を組んでいた。

涼「僕…死ぬのかなぁ…」

ふと、思ったこと。

今まで、抗がん剤の治療で辛いことはたくさん経験した。

涼「副作用で、こんなに苦しんで、弱っていって…ここまで頑張って、死んじゃったらどうしよう…」

光「涼介…」

光兄がそっと肩に手を乗せてくる。

雄「大丈夫。ここまで頑張ってるんだから。神様は、頑張ってる所をちゃんと見てるから」

涼「…うん」

力強い雄也兄の言葉に、無理して笑って頷いた。

笑えてたかは分からないけど。

涼「っ…!洗面器…っ」

慧「っはい!」

突然の吐き気も、もう何回目だろう。



神様。



僕は、まだ死にたくありません。



皆の笑顔を、大好きな笑顔を、ずっと見ていたい。



悲しい顔を見るのは、もう嫌です。



皆の涙は、もう見たくありません。



神様…



もし、いるのなら。



僕を…生きさせて…?

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楠木りずむ(プロフ) - い・ろ・は・すさん» 嬉しいコメントありがとうございます!遅くなってすみません…!再発の続編は…正直少し書くのが難しいです(′;ω;`)ですが、新しい長編か短編集は作りたいと思っていますので、そちらを楽しんでくれるとありがたいです! (2018年12月29日 23時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
い・ろ・は・す - そして、りんごさんのいうように再発で続編を見たいです!活動再開後頑張ってください!図々しくてすみません (2018年12月20日 21時) (レス) id: 6b690ae98e (このIDを非表示/違反報告)
い・ろ・は・す - 楠木りずむさん» この作品大好きです!私も今、受験生です笑楠木りずむさんも受験終わったら小説の更新頑張ってください! (2018年12月20日 21時) (レス) id: 6b690ae98e (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - りんごさん» すみません!私現在受験生であり、今更新してるお話以外の新作を出すつもりはございません……でも、そう言って頂けて本当に嬉しいです!活動再開したらまた病系短編集書きたいなと思ってるので、その時はよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年8月20日 11時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 再発で続編見たいです (2018年8月20日 8時) (レス) id: 7c5aa7c9e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楠木りずむ | 作成日時:2016年7月15日 19時

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