JUMP家 〜病系６〜

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涼介side


鼻血がやっと止まった…と思ったら、今度は目の前が真っ暗になって、体に力が入らなくなってしまった。

この感覚、僕は何度も経験したから知ってる。

貧血…それも結構重度の。

涼「んー…」

光「しんどいな。今宏兄が薬入れてくれたからな」

そう言って、光兄が手を目の上に置いてくれた。

雄也兄は足をあげてくれたりしてくれる。

…が、貧血のせいか、抗がん剤の副作用のせいか。

涼「…うっ…！」

突然の吐き気が僕を襲った。

宏「…っ圭人洗面器！」

圭「あっはっ、はい！」

慌てて圭人兄が洗面器を持ってきてくれて、僕は洗面器に顔を突っ込む。

あまり食べていないからか、もう胃液しか出てこなかった。

ようやく吐き気が治まり、体が怠くて光兄にもたれかかってしまう。

宏「涼介ー、疲れてる？」

宏兄の言葉に、こくっと小さく頷くと、

宏「じゃあ少し寝な？今なら寝られると思うから」

優しく微笑んだ宏兄を最後に見て、僕を目を瞑った。



宏太side


あれから２週間。

抗がん剤を一旦止めて、休薬期間に入った涼介。

怠そうにしていた涼介も、だんだんと調子が戻ってきていて、それでも治療をやる前よりは元気がない。

まぁ、当たり前なんだけどね…

そして、今日は春馬君の退院の日。

皆病院の入口まで向かい、涼介と颯太君を車椅子で押して春馬君を見送る。

あ…ちなみに、残念ながら恭兵君は副作用が酷くて、病室で留守番。

春馬君はお母さんに付き添われながら、二人と話していた。

颯「元気になってよかったよ〜」

涼「ほんと。おめでとう春馬君」

春「ありがとう！」

そんな会話をしていたら、あっという間に入口までついた。

春「じゃあ…行くな」

少し悲しそうに笑った春馬君に、二人はとても明るい笑顔で笑った。

颯「俺らもすぐに治すから！」

涼「治ったらまた会おうね！」

春「…おう！またな！」

悲しそうな笑顔を消した春馬君は、今まで見たこともないくらいの笑顔を見せていて。

医者としても、本当に嬉しかった。

宏「またね、春馬君」

春「宏太先生、ありがとうございました！」

春馬君の隣で、春馬君のお母さんも一礼をする。

春母「私からも、本当にありがとうございました」

宏「いえいえ。元気になって良かったです」

そうして、俺らに背を向けて歩き出した春馬君。

振り返っては、じゃあなー！と二人に手を振ってきて、二人も嬉しそうに手を振っていた。

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