JUMP家 〜病系６〜

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光side


抗がん剤治療を始めてから１週間がたった。

やっぱり、副作用は結構キツいみたいで。

吐き気はあれから頻繁に起こるし、食欲もないみたいであまり食べられない。

怠いのか、ボーッとすることも多いし。

皆はあれから、来れる日は必ず来ている。

まぁ、俺は毎日来てるけど。

今日は大学が休みだった雄也と、放課後の予定がなかった圭人、そしていつも通り俺が来た。

圭「涼介〜来たよっ」

涼「あ…ありがと……」

弱々しく微笑む涼介の頭を、雄也が優しくポンっと叩いた。

恭「…う、ううぇ…」

そんな声が聞こえた方に目をやると、恭兵君がお母さんに背中をさすられながら洗面器に顔を突っ込んでいた。

その頭には既に毛がないようで…紺地に白の星が付いたニット帽を被っている。

…涼介も、いつかはああなるのかな…？

思わず、涼介のふわふわさらさらな、茶色がかった綺麗な髪を撫でる。

…ダメだ、こんなんじゃ。

俺がこんなんじゃダメじゃねぇか。

春「…涼介」

涼「ん…春馬君…？」

そんなことを思っていたら、涼介のベッドの近くに春馬君がやって来た。

春「辛いのに、ごめん。でも、言わなきゃいけなくて」

涼「いいよ…どうしたの…？」

申し訳なさそうに言う春馬君に、涼介はまた弱々しく微笑んだ。

春「涼介、俺な…退院が決まったんだ」

…え？

光「春馬君、本当かっ？」

春「あ…はい、そうなんですよ」

涼介を除いて、俺らは目を見開いていた。

涼介は、少し驚いた様子だったけど、

涼「そっかぁ…おめでと…春馬君」

春「…ありがと。っつってもまぁ、再来週なんだけどな」

再来週…っていったら、涼介の抗がん剤投与が一旦終わる日。

圭「っじゃあ、涼介お見送り出来るんじゃない？」

雄「そうだなっ！」

涼介も、さっきよりもニコッと微笑んでいて。

涼「絶対、お見送りするからね…？」

春「おう！ありがとう」

春馬君はそう言ったあと、少し複雑そうな顔をして涼介を見ていた。

どうしたんだろ…せっかく退院できるのに、浮かない表情。

光「…春馬君、ちょっと、お話ししない？」

なんとなく気になって、春馬君を誘って病室を出た。

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