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〜63〜 ページ22

Aside


涼「…終わったんだ」

今は涼介の部屋で二人きり。

皆は帰ったけど、私は今涼介を一人にするのは不安で、もう少しいることにした。

涼介と二人で話すのは、なんだかんだで久々。

貴「うん。もう終わったよ。…私が涼介の部屋に来たの、あれ以来だね」

涼「あぁ…あの時は、ほんとごめん」

貴「別に良いよ。私たちの思い、通じたんだしさ」

私の言葉を聞くと、涼介は私を見つめながらフッと笑った。

あぁ、なんだろ。

久しぶりのこの感じ。

涼介の優しい表情を見たの、いつぶりだろう?

この胸の高鳴り、いつぶりだろう?

なんとなく、ドキドキして。

なんとなく、心地いい。

涼「…正直、Aがいてくれて、ほんと助かる。なんか一人だと…落ち着かない気がする」

やけに響く、涼介の声。

私は声を出さず、涼介に微笑むだけ。

涼「…ありがとう、A。本当に」

貴「改めて言われると、なんか照れる」

その私の返事に涼介は、ははっと軽く笑った。

涼「ねぇ、A…?」

貴「…ん?」

ふと、涼介の少し甘い声が響いて、ドキッとしながらも返事をする。

その途端、あたたかい温もりにいきなり包まれ、私は固まった。

涼介に抱き締められた、と理解するまでに時間がかかる。

視界は真っ暗で、涼介の吐息が耳にかかってくすぐったい。

貴「え、ちょ…?」

涼「…ん、やっぱ落ち着く……」

あたふたする私とは裏腹に、耳元でそう呟く涼介。

ぎゅっと力を入れた涼介に、私も落ち着きを取り戻しながら背中に手を回した。

涼介「A…」

貴「…なに?」

涼「…俺、今回のことで分かった…皆に、Aに、いっぱい支えられてる。これからも、いっぱい支えてもらうと思う」

声には出さず、コクッと頷く。

涼「…だから、さ。なんていうか…」

顔を少し上げると、すぐそばにある涼介は耳まで真っ赤になっていた。

涼「…俺のそばに、いてほしいっていうか」

貴「…」

涼「Aに隣にいてほしいし、Aが困ったとき、今度は俺が助けてやりたいから」

視界がだんだんと涙で歪んでいく。

私、こんなに涙腺ゆるかったかな?

体を離した涼介に、涙を見られたくなくて下を向いた。

けど、涼介が私の顔を両手で前に向かせる。

目の前には、真剣な表情の涼介。

涼「俺と…付き合ってくれますか?」

涼介…

私、今まで以上に涼介の近くにいられるんだね。

貴「…うんっ…!」

涼介はそのまま、ニコッと笑って。

ゆっくりと、口づけをした。

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楠木りずむ(プロフ) - Waka→涼介☆翔LOVEさん» コメントありがとうございます♪そう言って頂き嬉しいです!応援ありがとうございます(*´∀`)頑張ります! (2016年7月12日 22時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
Waka→涼介☆翔LOVE(プロフ) - 面白かったです! 次のお話も頑張ってくださいっ! (2016年7月12日 22時) (レス) id: deda5e21bd (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - ありやまストロベリーさん» ありがとうございます!感謝感謝です(≧▽≦)頑張ります♪わざわざコメントありがとうございます(*^^*) (2016年6月10日 6時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
ありやまストロベリー - 移行おめでとうございます!それと最初の 涼介、涼也、涼雅、山ちゃんカラーもおめでとうです!〜second〜でも頑張って下さい! (2016年6月9日 23時) (レス) id: 130e94bc60 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 涼介大好き♪さん» ありがとうございます!ほんとに嬉しいです♪最低でも1日1話は更新するようにしてるので、これからもよろしくお願いします!(*^^*) (2016年6月9日 18時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楠木りずむ | 作成日時:2016年6月8日 21時

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