的中 ページ19
裕翔side
裕「ヤマっ！！！」
思わず口元からマイクを離して咄嗟に叫び、数段下に転げ落ちた彼の元へ駆け下りる。
裕「ヤマ、大丈夫！？どこ打った！？頭は？あっ、足は平気…！？」
床に伏せるヤマの顔を覗き込んだり、体のあちこちを見たり。
ヤマは苦痛の表情を浮かべていて、痛みに耐えるように震えていて………
俺のすぐあとに近くにいたスタッフさんも集まってきたけど、それにも気づかないくらい俺はパニクっちゃって。
ヤマの足の様子を見ようと、衣装を捲ろうとした。
…………その途端。
俺の手を思い切り掴んでそれを阻止したのは……ヤマの手だった。
涼「馬鹿っ！！」
裕「っ…」
え……………
え？
裕「ぁ、…………」
………その瞬間耳に入ってきた、ファンの子の声。
警備員さんがファンの子を注意する声。
騒がしいスタッフさんの声。
今がライブ中、ということをようやく思い出し、体が固まる。
「山田くんっ立ち上がれます？1回舞台裏に…」
涼「っ……いかない……大丈夫だから、どいて」
そんな俺を置いていくように、ヤマは支えようとしたスタッフさんの手を押し退けて、無理矢理立ち上がった。
一瞬、苦痛に歪む顔。
でも、直ぐに笑顔になって。
涼「ほらっ、平気！もー、恥ずかしいこんな囲まれるの笑」
わざとマイクを通してそう笑ったヤマに、あからさまに戸惑いの顔を浮かべたスタッフさん。
………だって、痛くないはずがないんだ。
元々、歩くのもやっとなくらいの痛みを騙し騙しでやっていたはず。
それはスタッフさんももちろん分かっていて。
周りにいたファンの子達だけが、照れ笑いしながら手を振るヤマに安堵したような顔をしている。
もちろん、俺だって……大丈夫じゃないことなんて容易にわかった。
けど。
裕「……ヤマ」
涼「…………ん」
裕「肩組んで歩こ」
………俺らはアイドルだ。
痛い顔も辛い顔も、泣き顔だって…出来る限りは見せたくない。
その気持ちは、痛いほど分かるから。
涼「…ありがと」
あくまでもファンサービスかのように、ファンの子達に見せつけながら肩を組んで、2人で並んで歩き出した。
…………それに。
気がかりなんだ。
ヤマが落ちる直前…………後ろにいた俺は、見えてしまったから。
恐らく意図的に客席から伸ばされた、女性の足に。
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楠木りずむ(プロフ) - めいさん» ありがとうございます！なかなか更新できずすみません……汗 頑張りますー！！ (7月5日 18時) (
レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
めい - りずむさんのお話全部大好きです！更新頑張ってください！ (7月5日 17時) (レス) id: ddf213f93e (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます…！なかなか更新出来ずすみません汗 これからもぜひぜひご愛読くださいませ…！ (5月26日 22時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 移行おめでとうございます！ケガをしても必死にアイドルで居続ける山田さんがフッと気を抜く瞬間。とっても素敵です！いつもいつも素敵なお話をありがとうございます！りずむさんのペースで頑張ってください！ (5月26日 14時) (レス) @page13 id: 67fdc0bd43 (このIDを非表示/違反報告)
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