Parallel World ー３rdー

・ ページ10

.




光「…どうした……？」

涼「………なんでもない…」

光「……泣いてるの？」



……声が、無意識に震える。



そっとこちらに伸びてきたのは、ヒカの手だろう。

涙を止めなきゃと思うのに、嗚咽で余計に肩が震えた。




光「どーしたの。……不安なことあった？」




皆が寝ているからか、いつもより静かで、そして彼特有の柔らかい声。




涼「っ……ひか…っ……」

光「………こっち来る？あったかいよ」



暗闇の中、微かに見える影が、俺を迎え入れるように広がったのが分かった。



たまらず飛び込むと、ヒカがぎゅっと俺を抱きしめてくれる。

ヒカと布団の温もりが妙に安心して、遠のいていたはずの眠気がまたやってきて。







涼「……………ひか…………おれ、JUMP……？」






微睡む意識の中。

重くなってきた瞼に逆らいながら、小さく呟く。



俺を抱きしめるヒカの腕の力が、少しだけ強くなった気がした。







光「………うん。………お前はHey! Say! JUMPだよ。俺ら8人が、Hey! Say! JUMPだ」

涼「………ん…………」





安心する温もり。

そして、何よりも安心する言葉。




さっきまで感じていた不安がすぅっと無くなっていくと同時に……俺の意識も、ふわふわと飛んでいくような心地がして。





光「…おやすみ、やまだ」






その声で、俺はゆっくりと、目を閉じた。






15年目の夜 Fin.





(JUMPちゃん15周年おめでとうございます！そして八乙女さんもお帰りなさいませ！！
病系要素皆無ですが、おめでたい記念の小話ですのでお許しください…！)

暗い話→←15年目の夜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す