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土方が粥を口に持っていけば、沖田は小さく口を開ける。



口にとろりと粥が入ったかと思えば、沖田は目尻に皺が入るほど固く目を閉じて、ぜこっと肩を揺らし咳をした。

と、もうひとつ零れそうになる咳を押し殺すように口を閉じた沖田に、土方が口の端に付いた粥を拭き取る。




「我慢するな」

「っ………出てって、土方さん」

「………わかった」



沖田の剣士としての自負である。




部屋を出た土方には、その背の障子の向こう側から、大きな咳が聞こえていた。

ろくに食事も取れていないのは明らかで、どんどんと頬の肉が落ちている気がする。





土方はその障子の手前で、ほとんど減っていない盆の上の粥を見つめた。




この盆を返したときの近藤の顔を想像し、この山が超えるのはいつ頃かと思う他なかった。







.








やがて。


7日ほど経ち、幾分か沖田の体は回復した。




「土方さん。沖田です」

「……お前か」

「また発句ですか」



食べずにいたせいで、体や顔は細くなり、体力も戻ってはおらず、稽古にも軽く参加する程度である。


が、土方をからかいに来るのは前と変わらず。

締め切っていた障子をガラリと開けた沖田が、筆を持つ土方の傍に端座してその様子を眺めている。




「私の回復を喜ぶ句でも詠んでくださってるんですか」

「何をいやがる」




そう言いながら、土方は書き上げたばかりの半紙をくしゃりと握りしめ、らしくもなく耳を赤く染めた。


図星である。




………もちろん、その様子に沖田が気づかないはずもなく。

土方が丸めて捨てたそれを拾い上げ、思わず頬が緩むのを抑えきれずにいたのだった。





沖田総司 3 Fin.





(どんだけ沖田書くんだよって感じですよねすみません。でもだって好きなんだもん!幼少期の宗次郎くんとか書きたかったんだもん!←
ちなみに沖田くんの字は、土方らに比べて子供っぽく決して上手いとは言えないらしいです。何それめちゃんこ可愛いんですけども!?)

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楠木りずむ(プロフ) - かおりさん» ありがとうございます<(_ _*)>何せ週に2日供給があるので、色々お話は思いついてます…笑 書けるかは分かりませんが気長にお待ちください…!笑 (7月8日 21時) (レス) id: c2c351404b (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - じゃにの兄弟のお話大好きです!!やまふまかわいい!!笑つづきご検討願います!! (7月8日 20時) (レス) id: fcc852425b (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - まろんさん» ありがとうございます…!リクエスト制ではないので確約は出来ませんが、もし気が向いたら検討します…!笑 これからもぜひよろしくお願いしますー! (2022年11月23日 20時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 『暗い話』好きです〜!!失明後のお話もみたいぐらい…! (2022年11月22日 20時) (レス) @page12 id: f96bfdb9c3 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 舞さん» 舞さんいつもありがとうございますー!!頑張ります!こちらでもぜひよろしくお願いします…! (2022年11月5日 22時) (レス) @page2 id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楠木りずむ | 作者ホームページ:楠木りずむ  
作成日時:2022年11月5日 21時

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