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……そんな時。
ガラッと、思い切り病室の扉が開いて。
「失礼します!」
3人揃ってビクッと肩を震わせれば、顔馴染みの看護師さんは慌てたように病室に入ってきた。
「慧くんのお父さん、実は涼介くんがロビーで……」
宏「え………まさか来たんですか……!?留守番してろって言ったのに……!」
「いえ、そうではなくて……お家から歩いてきたみたいで、力尽きるように廊下で倒れてるのが発見されて…」
………………は……?
.
「恐らく心因性の発熱ですね」
宏「……………心因性……」
慧くんのこともあるし言い出せなかったのかも、と口にしながら、その人は涼介の眠るベッドの布団を整えた。
そんなベッドの上で、すぅすぅと寝息を立てる涼介。
「お父さんも大変だと思いますが、今は涼介くんのそばにいてあげてください。慧くんと侑李くんはこちらで対応しますから、ご安心くださいね」
俺にそう言って優しく笑ったのは、慧のことでいつもお世話になっている先生だ。
心因性だと、解熱鎮痛剤では対応できないらしい。
今は休むことが1番だと言われ……先生が出ていった病室の中で、久しぶりに2人きりになる。
………思えば、涼介と2人で寝たことなんてほとんど無いかもしれない。
慧や侑李に構ってあげてばっかだったから………こうやって寝顔をゆっくり見ることも、頭を撫でることも、最近は減っていた。
まだ、小学4年生だと言うのに。
………妙に大人びていると思ってた。
でも、違った。
大人になろうとせざるを得なかった。
俺が、そばにいてやれなかったから。
お兄ちゃんをしなきゃいけなかったから。
今日だって………侑李から話を聞いた時、涼介に寄り添おうとなんてしなかった。
……本当に馬鹿だ。
宏「ごめんな」
涼「……ん…………っ…」
額に少し汗を光らせ、小さく唸った涼介が、身動ぎをして布団から手を放り出す。
1人で耐えるように、きつく布団を握った涼介の手を…………優しく包み込んだ。
涼「………おと、さ…………」
宏「…なぁに、涼介」
心なしか、ほんの少しだけ……俺を求めた涼介の顔が、緩んだ気がした。
真ん中っ子 Fin.
(かなり前に書きたいなぁと思ってたものなのですが、だらだらだらだら書いてるうちに数ヶ月が経っていました←
………だからといってクオリティが高い訳では無いのは許してください…笑)
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楠木りずむ(プロフ) - かおりさん» ありがとうございます<(_ _*)>何せ週に2日供給があるので、色々お話は思いついてます…笑 書けるかは分かりませんが気長にお待ちください…!笑 (7月8日 21時) (レス) id: c2c351404b (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - じゃにの兄弟のお話大好きです!!やまふまかわいい!!笑つづきご検討願います!! (7月8日 20時) (レス) id: fcc852425b (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - まろんさん» ありがとうございます…!リクエスト制ではないので確約は出来ませんが、もし気が向いたら検討します…!笑 これからもぜひよろしくお願いしますー! (2022年11月23日 20時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 『暗い話』好きです〜!!失明後のお話もみたいぐらい…! (2022年11月22日 20時) (レス) @page12 id: f96bfdb9c3 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 舞さん» 舞さんいつもありがとうございますー!!頑張ります!こちらでもぜひよろしくお願いします…! (2022年11月5日 22時) (レス) @page2 id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
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