Parallel World ー３rdー

海軍中将 ページ18

(※嘔吐表現あります！苦手な方はご自衛ください)

大貴side



「左舷前方、各艦隊列を組み前進っ！！」

「イエッサー！」




荒波の上の大きな船。

白と青に彩られた立派な船には、《WHITE NAVY》と記されている。




………これは、国の海軍訓練。

その中将でもあるリョウスケ中将は、日々訓練を怠ることなく遂行し、若いにも関わらず絶大な信頼が寄せられこの地位まで上り詰めた。




…そして同時に。

若さとは裏腹に威厳があり、毎日怒号を響かせては、(俺を含め)年上の隊員をも震え上がらせている。



もちろんそれは、海上でも……いや、危険を伴う海上だからこそ。
いつもよりその声を船上に轟かせていた。




………マジで怖い。





涼「右舷二艦隊、中心隊列よりズレている！司令官何をしているっ！！」

大「イ、イエッサー！」




ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。


慌てて中心隊列にちらりと目を向け、自分の隊の列を整えた。





サーベルを片手に指示を出す姿は、正に鬼教官…
命令に逆らうものは斬る、とでも言い出しそうな気迫を感じる。

…というより、実際にそう思ってるだろう。



鋭い視線と怒鳴り声、その佇まい。

小さな体なのに大きなその背中は、今日も今日とて全軍を引っ張っている。



昇進するにはあの人を超えなきゃ行けないなんて……いやぁ、無理だなぁ……笑

というより、ひとりひとりに目を配り、的確な指示を出し、軍だけでなく自身の成長のための努力も厭わないその姿を見ると……
むしろずっと俺らを率いて欲しいとすら思う。




涼「右舷後方、各艦方向確認し位置に付けっ！！……っ…」

「イエッサー！」





そんな中将の様子がおかしくなったのは………訓練の中盤。

これから船を引き返し、本部へ戻ろうとした矢先の事だった。




………なんだろう…何か違和感が……




じっとリョウスケ中将を見つめていた………そんなとき。

ぐらりと、船が大きく揺れた。



ああ、またか…………

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