Parallel World ー３rdー

暗い話 ページ11

(タイトル通り暗い話になります！ごちゃ混ぜ短編集なのでこういうのもいいかと思い書いてみた作品です…苦手な方は自衛をお願い致します！)



涼介side



裕「………ごめん」



………言いづらそうに紡がれた言葉に、頭を鈍器で殴られたような衝撃が走った。

その短い意味を噛み砕いて理解するのに、普段じゃ考えられないくらいの時間がかかって。


口を開いても、声なんかでなくて。

代わりに出たのは涙だった。




涼「…っ、…」

裕「………本当に、ごめん」




嘘だと思いたいのに。

目の前にいる彼の声に、嘘じゃないことを察する。



………嫌な予感は、してた。

なんとなくわかってた。




分かってたのに。




涼「なん、で………っ…」




離れようとする彼の腕を掴んで。


その顔に、ぐっと俺の顔を寄せた。




ぱっちりとした綺麗な二重。

俺がついてるよって、いつも向けてくれていた優しい瞳。

芸能人みたいに高い鼻。

大人の色気を纏わせる泣きボクロ。

弟に付けられたんだって、笑いながら話してくれた、俺とお揃いの口元の傷。




脳裏に焼き付けるように、一生忘れないように、そのひとつひとつを見つめ手で触れる。

その綺麗な顔が、辛そうに歪んだ。





爽やかな笑顔も。

まだ寝癖がついてるような、お間抜けな姿も。

たまに生えている髭も。

真剣な表情も。




………もう……見れなくなってしまうのだろうか。





裕「ほんとに……ほんとに、ごめ、」


涼「……………謝らないで」




………もう。



なんで貴方が泣きそうなのさ。


こんな時まで優しい彼に、その潤んだ目に。
余計に、涙が零れた。

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