不安定 ページ5
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涼「おはよ」
侑「りょーすけだっ!」
裕「お疲れ山ちゃん!」
大「座れ座れ」
午後1時。
楽屋の扉を開けてやると、3人が山田に飛びつくように駆け寄ってきた。
あれよあれよという間に山田はソファに連れていかれている。
その端っこには、同じマネージャーの光くんが何やら電話をしていた。事務所かな、多分。
侑「お疲れ、涼介」
涼「……ん、ありが………っ…」
あ。
涼「、っ………」
………ポロッと。
突然、山田の頬を涙が滑り落ちた。
ぴたりと、その場にいる全員が動きをとめ、そんな山田を見つめる。
涼「っ、……ごめ、なんか……っ、いきなり…」
そう言ってる間にもまた、ひとつ、ふたつと雫がぽたぽたと零れていて。
涙を拭う手も意味をなさず、グズっと鼻をすする静かな山田の声だけが響いた。
大「うん、大丈夫よ。飯はもう食ったの?」
涼「………んーん…」
侑「疲れちゃうよね。僕も疲れたもん」
裕「俺の胸貸すよ…」
侑「いいからお弁当持ってきてあげてよ」
涼「…っ、へへ………」
………実はこの現象も、初めてでは無い。
デビューしてから、半年。
気持ちが不安定になってるのか、この頃はこういうことも増えてきた。
帰りの車の中でいきなり泣き出すことだってある。
山田だけじゃない。
知念は元々持っていた偏頭痛が悪化し、頭痛を訴えることが増えた。
裕翔は時折胃痛を訴えることもあるし、有岡くんも無理したように笑うことが多い。
光「お疲れ高木」
雄「うん。17時には山田、またドラマ戻るよ」
光「………そう…何時上がり?」
雄「22」
もちろん、俺や光くんだって。
少しでも彼らが、もっと健やかに仕事できるようになることが理想。
なんなら、急に飛ぶように売れた彼らがその環境に慣れるまではもう少しペースを緩めにする予定だった。
でも事務所から、デビューしたてで仕事を断るのは先方にも失礼だし、世間へのアピールもはからなければいけないと言う方針を言い渡されたために、膨大な仕事を抱えることになってしまっているのだ。
その理屈は分かるから断りきれなかったけど…それで体調を崩されたら、元も子もない。
光「……裕翔に映画のオファーきたんだけど。……ちょっと保留にしちゃった」
雄「…それがいいよ」
仕事を受けたい気持ちは山々。
だけど休ませたい気持ちも、山々だ。
彼らの青春を、俺らは確実に奪っているんだ。
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楠木りずむ(プロフ) - Mizukiさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(;;)新作でもよろしくお願いします! (2022年12月12日 7時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
Mizuki(プロフ) - 新作おめでとうございます!いつも楽しく読ませて頂いてます(^-^)楠木さんのペースで更新頑張ってください。応援してます! (2022年12月12日 1時) (レス) @page6 id: e4dddfb1f4 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 舞さん» こちらこそありがとうございます…!こちらの作品もぜひよろしくお願い致しますー!! (2022年12月11日 22時) (レス) id: e61df9c711 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 新作おめでとうございます!そして、ありがとうございます!りずむさんのペースで更新頑張ってください!応援してます! (2022年12月11日 21時) (レス) @page6 id: c5058b1ba0 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - JUMPLOVEさん» コメントありがとうございます…!こちらこそいつもありがとうございます!今後もよろしくお願い致します(*^^*) (2022年12月11日 21時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
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